がんとANK免疫細胞療法の教科書~ANKブック~ | sponsored by リンパ球バンク株式会社
がんとANK免疫細胞療法の教科書~ANKブック~ | sponsored by リンパ球バンク株式会社 » がんに関する疑問や悩み » 前立腺がんの手術と放射線治療の比較

前立腺がんの手術と放射線治療の比較

このサイトは「リンパ球バンク株式会社」をスポンサーとして、Zenken株式会社が運営しています。

前立腺がんに対する治療方法は、がんの進行の程度や身体の状態、合併症の有無などを考慮して選択します。転移のない前立腺がんに対しては、基本的に手術と放射線治療のどちらも選択が可能です。

こちらでは、手術と放射線治療の生存率や合併症の違い、メリット、デメリットなどについてわかりやすく説明します。

転移がない場合は手術・放射線治療どちらも選択可能

前立腺がんは、がんの広がっている程度や転移の有無、がん細胞の悪性度などの組み合わせによって進行度が分類されます。治療方針は、進行度分類や年齢、全身状態、患者さんの希望などを考慮して決定されます。

転移がない前立腺がんに対する治療は、手術と放射線治療のどちらも選択可能です。両者の治療成績に差はありません。

手術の方法は、開腹手術だけでなく、腹腔鏡下手術やロボット支援手術のように選択肢が増えています。腹腔鏡下手術やロボット支援手術の場合は、傷が小さく済むため、以前より身体への負担が減りました。

放射線治療には、外部放射線治療と小線源治療があります。外部照射治療では、身体の外から前立腺に放射線を当てますが、小線源治療では前立腺の中に放射能が含まれたカプセルを前立腺に埋め込んで治療をします。

手術と放射線治療、どちらが優れた治療なのか

治療法を選択するときに気になるのは、「どちらの治療法が優れているか」という点でしょう。今まで行われた医学研究の結果によると、前立腺がんに対する手術と放射線治療では、治療率に違いがないことがわかっています。

違いがあるのは、治療期間や合併症です。治療方針を決める際は、それぞれの治療法のメリット、デメリットだけでなく、患者さんの価値観、希望、ライフスタイルなどを考慮することが大切です。

たとえば、なるべく通院で治療を行いたい場合や急に性機能を失いたくない場合は放射線治療が向いているでしょう。前立腺肥大による排尿障害がある場合は、手術のほうが向いていると考えられます。

同じがんの進行度でも、患者さんの状況によって適切な治療方針は異なるので、医師とよく話し、納得できる治療を選ぶのが理想です。

向き・不向きによって治療法が決まるケースもある

手術と放射線治療の治療率に違いはないですが、患者さんの状態や合併症、過去の手術歴などによって最適な治療法が決まることもあります。

たとえば、過去に骨盤内の手術をしている場合や持病に対して血液を固まりづらくする薬を内服している場合、全身麻酔を行うことがリスクになる場合などは、手術は不向きと考えられます。

また、過去に前立腺に一定量以上の放射線が照射されている場合や安静な姿勢が保てない場合、あおむけの姿勢が難しい場合などには放射線治療は適応となりません。

それぞれのメリット・デメリット

手術のメリット・デメリット

治療方針を決めるときは、メリットとデメリットをよく理解することが大切です。

手術のメリットは、前立腺肥大に伴う排尿障害も解消できるという点です。力まないと排尿できない、残尿感が強いなどのような自覚症状があり、日常生活に支障が出ている場合に手術は適した治療法といえます。一般的に、放射線治療を行うと、前立腺肥大に伴う排尿障害は悪化する可能性があります。

手術のデメリットとしては、手術後の痛み、手術後に持続する尿失禁や勃起機能の障害などが挙げられます。

前立腺がんに対して行われる前立腺全摘除術では前立腺を切除し、膀胱と尿道をつなぐため、手術後に尿失禁が起こりやすいことがわかっています。尿失禁を防ぐために、排尿に関わる神経や尿道括約筋を温存する方法が試みられていますが、放射線治療に比べると尿失禁の合併率は高いです。

また、勃起機能を保つために、勃起に関わる神経を温存する方法が推奨されていますが、神経を残せたとしても性機能の回復率は3~5割程度といわれており、放射線治療より勃起機能障害の発生率が高いです。

手術後の痛みに関しては、従来の開腹手術に比べて、腹腔鏡下手術やロボット支援手術では傷が小さいので、痛みも少なくなっています。手術方法によっても違いがあるので、治療前によく説明を聞いてから選択しましょう。

放射線治療のメリット・デメリット

放射線治療のメリットは、手術に比べて尿失禁の合併や勃起機能の障害が少ない点です。また、放射線治療は身体への負担が少ないため、合併症のために手術が難しい方や高齢の方に対しても適応可能となります。

放射線治療のデメリットは、特有の合併症です。放射線治療では、前立腺だけでなく、膀胱や直腸にも放射線が当たってしまうので、それに伴う合併症が起こる可能性があります。

合併症としては、放射線治療を行ってから早めに出る急性期の合併症と数か月から数年後に出る晩期障害があります。急性期の合併症としては、頻尿、排尿時痛、血尿、下痢などが挙げられます。晩期障害では、膀胱がんや直腸がん、直腸出血などが発生する可能性があります。

手術と放射線治療の比較に関するまとめ

前立腺がんに対する手術と放射線治療は、治療率に差がないことがわかっています。そのため、患者さんの価値観やライフスタイルなども考慮し、希望に沿った治療法を選ぶことが大切と考えられています。どちらの治療法にも合併症の可能性があるため、メリットとデメリットをよく理解し、納得してから治療を進めましょう。

如月 真紀

<この記事を書いたのは・・・>

如月 真紀(きさらぎ まき)

医師、医学博士、総合内科専門医。都内の大学病院勤務を経て、現在はアメリカで研究中。医療関連の記事の執筆や監修、医療系動画監修、医療系コンテンツ制作など幅広く手がけている。研究の傍ら、医学の知識や医師の経験を活かし、患者や患者家族のためになるコンテンツ作成を目指している。

関連リンク

ANK免疫細胞療法が受けられる
クリニックはこちら

ANK免疫細胞療法を検討中の
医療従事者の方はこちら

ANK免疫細胞療法が
受けられる
クリニックはこちら

ANK免疫細胞療法を
検討中の
医療従事者の方はこちら