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がん患者の災害への備え

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災害時には救急患者さんが優先になるので、がん専門治療を行っている医療機関で診てもらえない場合や、医療機関自体が災害による被害で機能しない場合もあります。災害時でもがん治療を続けるために、備え方や対処法について、わかりやすくまとめます。

災害によるリスク

災害時、救急患者が優先で受診できるとは限らない

災害が起こっていない時には、がん患者さんは、がん専門治療を行っている医療機関で診てもらえます。しかし、地震や火災などの災害が起こった時には、命に関わるような症状の患者さん、いわゆる救急患者さんが優先で診察を受けることになります。

災害時には、がん患者さんが医療機関を受診できないだけでなく、医療機関自体が災害で機能しない可能性もあります。

どんな備えをしておくべきか

家族や主治医と災害時に備えて確認しておく

災害時に備えて、家族や治療を受けている医療機関の緊急連絡先、避難先を事前に確認しておくようにしましょう。また、治療内容によっては、1~2週間程度であれば遅れても問題ない場合や治療日時を守らないと効果を得られない場合があるので、事前にどちらに当てはまるのか主治医に確認し把握しておくと安心です。

薬や治療に関する情報を記録しておく

災害時には、自分の服用している薬や治療内容に関する情報が重要になります。平常時には、いつもかかっている医療機関に問い合わせればわかる情報だとしても、災害時には連絡手段がなくなったり、他の患者さんの対応でつながりにくくなったりする可能性があります。災害時に初めて診てもらう医師に、今までかかったことのある病気や治療中の病気、治療内容などを的確に伝えられれば、どのような治療を行えばよいか判断しやすくなります。例えば、抗がん剤治療を受けている場合には、薬の名前や前回の治療日、投与回数、血液検査の結果などをお薬手帳や療養ノートに書き留めて持ち歩くとよいです。万が一に備えて、携帯電話などにも保存しておくと安心です。

必要な薬や装具を常備しておく

抗がん剤や鎮痛剤、その他の服用薬は、災害時でもすぐに持って避難できるようにしておいた方がよいです。非難する時には、お薬手帳や数日分の薬を携帯した方が安心です。また、大腸がんの手術後などで人工肛門がある方は、管理のための皮膚保護材や排泄物を溜める袋などが必要になります。

薬や装具以外にも、飲料水や栄養補助食品、マスク、アルコール消毒薬、手袋、体温計なども非常時に持ち出す袋に入れておくと便利です。

災害が起きた場合の対処方法

まず、対処すべきこと

災害時に避難した所に、医師や薬剤師、看護師などの医療従事者がいる場合には、すぐに相談するようにしましょう。がんの治療中であり、医師やかかりつけの病院となるべく早く連絡をとる必要があると伝えてください。

もし、避難した所に医療従事者がいない場合には、避難所や仮設住宅の責任者や避難先の家庭に頼み、最寄りの病院に連絡してもらうようにしてください。

災害時に急な処置が必要な症状が出た場合には、最寄りの救急外来ですぐに治療を受けるようにしましょう。急な処置が必要な症状には、以下のようなものが挙げられます。

がん治療を継続するには

災害時には、停電、交通機関の寸断、自宅や医療機関の損壊などによって、がんの治療継続が難しくなる場合があります。がんの治療内容にもよりますが、長い期間治療をできない状態が続くと、治療効果を期待できなくなる場合や症状の悪化が引き起こされる場合があります。なるべく早めに主治医に連絡をとり、治療を継続するためにどのようにするべきか聞くようにしましょう。主治医と連絡がつかない場合には、治療を受けていた病院や近くの救急外来に連絡して聞いてみてください。

もし、病院があった地域から非難しなくてはいけなくなったら、なるべく早く新しい病院を探し、がんの治療を継続できるようにした方がよいです。避難所のスタッフに相談したり、最寄りの地域の病院の相談窓口などに連絡したりしてみましょう。

抗がん剤の服用に関しては、服用方法がわかっている場合には避難中も継続して服用しても問題ありません。しかし、服用方法がわからない、薬がなくなったなどの場合には、医師や薬剤師などと早めに連絡をとり、確認するようにしましょう。

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