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抗がん剤治療と口内炎

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口内炎は、抗がん剤治療中に起こるつらい症状の1つです。口内炎による強い痛みで水分や食事をとることが難しくなり、体力が落ちてしまう患者さんもいます。

十分な食事をとれないと、栄養状態が低下し、抗がん剤治療に伴う副作用の悪化や全身状態の悪化につながるかもしれません。口内炎による副作用のため、必要ながん治療を継続することも難しくなる場合もあります。抗がん剤治療を行うときには、口内炎の予防法や対処法を知っておくことが大切です。

抗がん剤治療による口内炎

抗がん剤治療を行うと、抗がん剤によって口の粘膜がダメージを受け、炎症が起こり口内炎の症状が出ます。抗がん剤治療を受ける患者さんの約半数が口内炎を経験するといわれています。

一般的な口内炎と違い、抗がん剤治療で起こる口内炎は強い痛みや出血を伴います。口内炎による痛みのため、水や食事がとれないだけでなく、話すことも難しくなる場合もあります。個人差はありますが、治療を開始してから7日前後で症状が出て、10〜12日目にピークになることが多いです。

口内炎の症状は抗がん剤治療が終われば改善しますが、抗がん剤治療は繰り返し行うことが多いため、治療をするたびに症状が出る可能性があります。口内炎を完全に防ぐ方法はありませんが、予防法や対処法を知っておくことで、症状をうまくコントロールできる場合もあります。

口内炎の痛み

抗がん剤治療中に起こる口内炎は、強い痛みが伴います。口の粘膜だけでなく、喉の粘膜にまで炎症が広がると、形のある食べ物だけでなく、液体をとることも難しくなります。十分な水分や食事がとれないと、脱水や栄養不足になり、患者さんの体力も低下してしまいます。

口内炎の痛みに適切に対応するためには、口内炎の状態を的確に把握することが大切です。口内炎の状態が軽いときは、口の中がざらざらする、のどに違和感があるという症状があるものの、痛みはまだ強くありません。

口内炎の状態がやや強くなると、口の中がひりひりする、口の中が痛い、食事はできるが飲み込むと痛い、などの症状が出ます。口内炎の状態が強いと、口の中の痛みで話せない、痛くて水を飲めない、痛みで食事ができない、といった症状が出ます。

痛みのコントロールについて

口内炎による痛みがあると、食事が十分にとれずに栄養不足となり、口内炎の治りも悪くなります。また、栄養不足によって全身状態が悪くなり、抗がん剤治療の継続が難しくなることもあります。そのため、積極的に痛み止めの薬を使うことが推奨されています。

口内炎の痛みのコントロールでは、通常の痛み止め、いわゆる解熱鎮痛剤を使用することが多いですが、解熱鎮痛剤でも痛みが治まらない場合には医療用麻薬を使用することがあります。医療用麻薬は、がんによる痛みをコントロールする目的で、口内炎以外の痛みにも使われる薬です。口内炎による痛みを緩和する目的で、食事の前に局所麻酔薬を混ぜた水でうがいをすることもあります。

食事の工夫

口内炎による痛みで食べることが難しいと感じるときは、食事の工夫が必要になります。パサパサする水分の少ない食品や硬いもの、大きいサイズの食品は、口内炎があるときには食べづらいです。

刺激の少ないものを食べやすい形にすることで、痛みがあっても食べやすくなるかもしれません。具体的な食事の工夫の仕方をいくつか紹介します。

口腔ケアの工夫

口内炎があると、痛みのためにいつものように歯みがきをしたり、うがいをしたりするのがつらく感じることが多いです。しかし、うがいや歯磨きをしないと口の中が不衛生になり、細菌が増えてしまいます。細菌が増えると唾液とともに気管に入り、肺炎の原因になります。

また、口内炎の部分から細菌が血管内に入り、全身に広がって高熱を起こすこともあります。口内炎があるときも、工夫しながら口腔ケアをすることが大切です。

口内炎があるときの口腔ケアについて

口内炎があるときには、歯ブラシが粘膜に当たって痛みが出たり、歯磨き粉がしみることがあります。なるべく粘膜に刺激の少ない方法で歯磨きをする工夫が必要です。

如月 真紀

<この記事を書いたのは・・・>

如月 真紀(きさらぎ まき)

医師、医学博士、総合内科専門医。都内の大学病院勤務を経て、現在はアメリカで研究中。医療関連の記事の執筆や監修、医療系動画監修、医療系コンテンツ制作など幅広く手がけている。研究の傍ら、医学の知識や医師の経験を活かし、患者や患者家族のためになるコンテンツ作成を目指している。

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