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小腸がんは、組織の種類によって神経内分泌腫瘍、腺がん、悪性リンパ腫、肉腫などに分けられます。小腸がんは、とても稀ながんです。例えば、小腸腺がんが全てのがんの中で占める割合は0.5%以下といわれています。稀ながんなので、確立した治療法がないという特徴もあります。
こちらのページでは、小腸がんの特徴や治療などに関する情報をまとめていますので、がんの治療にどのようなものがあるのか知りたい方や抗がん剤の治療がつらくてやめたいと考えている方も、ぜひご覧ください。
目次
小腸は、場所によって十二指腸、空腸、回腸と呼ばれます。小腸がんは、組織の種類によって神経内分泌腫瘍、腺がん、悪性リンパ腫、肉腫に分けられます。小腸がんは、とても稀ながんとして知られており、例えば小腸腺がんは全てのがんの中で0.5%以下です。小腸腺がんは、十二指腸に約45%、空腸に約35%、回腸に約20%の割合で発生するといわれています。
小腸腺がんの原因は、現在でも不明ですが、クローン病や潰瘍性大腸炎、ポイツイエガース症候群、家族性大腸腺腫症などの疾患があると発生しやすくなるのではないかと考えられています。小腸がんは稀ながんなので、確立された治療法がありません。
早期の小腸がんの場合には、無症状が多いといわれています。十二指腸の奥にがんが存在する場合には、通常の内視鏡検査では見つけることが難しいため、貧血による症状や腸の狭窄による腹痛、腸閉塞などの症状が出た時に発見される場合が多く、気づいた時には進行している状態ということも少なくありません。十二指腸に発生したがんが大きくなると、胆汁の出口が塞がれてしまうので黄疸という症状が出ます。黄疸になると、皮膚や白目の部分が黄色くなります。
小腸がんは、CT検査、カプセル内視鏡検査、バリウムによる小腸造影検査などで腫瘍の有無を確認します。確定診断のためには、腫瘍が疑われる部分の細胞を取らなければいけないので、バルーン小腸内視鏡を行います。ただし、腫瘍の場所によってはバルーン小腸内視鏡でも届かないことがあるので、手術によって確定診断する場合もあります。
腫瘍の大きさや進行度、リンパ節転移の有無、遠隔転移の有無によって、小腸がんのステージが分類されます。ステージはⅠからⅣまであり、ステージが上がるほど、腫瘍が大きく、転移もしていると考えます。つまり、ステージが上がるほど、がんが進行しているということになります。
小腸がんのステージを決めることは、治療方針を決定するために重要です。ステージⅠ~Ⅲに対しては、がんやがんの近くのリンパ節の切除が主な治療になります。ステージⅣや手術後の再発に対しては、薬物療法や放射線療法が行われます。
小腸がんは、稀ながんなので科学的根拠に基づく確立された治療法がありません。現時点で行われる主な治療法には、手術、放射線療法、薬物療法があります。
内視鏡による治療が難しく、進行した状態で見つかる場合も多いので、治療法として手術が選ばれることが多いです。手術方法には、お腹を大きめに切る開腹手術と、お腹に小さな穴を開けて腹腔鏡を利用しながら行う腹腔鏡手術があります。腹腔鏡手術の方が出血量や術後の痛みが少なく、体力回復も早いです。一方で、開腹手術に比べて腹腔鏡手術の方が、時間が長くかかることやがんの場所によっては腹腔鏡では取り切れない場合があります。また、腹腔鏡手術には十分な経験が必要なので、どの施設でも行えるわけではありません。
放射線療法は、再発や遠隔転移に対して行われることがあります。例えば、がんが他の臓器へ転移している場合には、がんからの出血に対する止血、がんによる痛みの緩和、骨への転移に伴う痛みの緩和などを目的に放射線療法を行います。また、リンパ節転移や肺、肝臓、骨、脳への転移に対しても、がんの進行を抑えるために放射線療法が行われることがあります。
薬物療法では、抗がん剤が主に使用されます。大腸がんに対して行われていたFOLFOX療法(オキサリプラチン、フルオロフラシル、レボホリナートカルシウムの併用療法)が小腸がんにも有効なことがわかり、日本でも2018年から保険適用になっています。分子標的薬に関しては、パニツムマブによる治療を行ったという報告があるものの、現時点では効果は限定的で、有効性は確立されていない状況です。がんの組織を調べ、効果が期待できると判断された場合にはペムブロリズマブという免疫チェックポイント阻害薬が使用されることがあります。
一般的に、小腸がんの手術後には、抗がん剤の投与は行わずに経過を見ることになっています。しかし、日本を含む世界各国で根治手術後の小腸腺がんに対して、手術後の抗がん剤投与の有効性を判断するための臨床研究が行われているので、結果によっては治療方針が変わるかもしれません。
小腸がんは、稀ながんなので標準治療は確立されていません。一般的に、他のがんに対する治療法と同様に、がんの状態や全身状態を考慮し、手術、放射線療法、薬物療法を行うことが多いです。
抗がん剤を使用すると、悪心や嘔吐、食欲不振、胃腸の不快感、倦怠感、下痢、口内炎などの副作用が起きることがあります。これらの副作用から、治療をやめたくなる人も少なくありません。小腸がんに対して使用するオキサリプラチンの副作用として、何かに触れたり、風に当たるだけで痛みを感じてしまう神経障害性疼痛が高い頻度で発生するので、治療継続が難しくなる場合も少なくありません。
ANK免疫細胞療法では、がんに対する攻撃力を高めたNK細胞を利用し、がん細胞を退治します。ANK免疫療法の対象となるがんは、固形がん、肉腫、白血病、悪性リンパ腫などです。つまり、小腸がんのような固形がんにも治療法の1つとして検討できます。
また、ANK免疫細胞療法は、がんに対する従来の治療法である手術や放射線療法、薬物療法と併用することが可能です。例えば、がんの薬物療法で使用される分子標的薬とANK免疫細胞療法を併用すると、分子標的薬でがん細胞の増殖を抑えながら、NK細胞ががん細胞を攻撃することによる効果を期待できます。
<この記事を書いたのは・・・>
如月 真紀(きさらぎ まき)
医師、医学博士、総合内科専門医。都内の大学病院勤務を経て、現在はアメリカで研究中。医療関連の記事の執筆や監修、医療系動画監修、医療系コンテンツ制作など幅広く手がけている。研究の傍ら、医学の知識や医師の経験を活かし、患者や患者家族のためになるコンテンツ作成を目指している。
どんながんも治る魔法の薬はありません。
ゆえに、保険治療の抗がん剤だけでは緩和や延命が目的になることもありますが、ほかの治療と併用することで好転することもあります。できる治療すべてを試す覚悟が大事だということも覚えておきましょう。
治療のひとつの選択肢として挙げられるのが、ANK免疫細胞療法。がん退治の本命細胞である「NK細胞」を活性化させてがん治療を行っていく免疫療法のひとつです。
以下の動画で、ANK免疫細胞療法のしくみを詳しく紹介していますのでぜひご覧ください。