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ドセタキセルは、乳がんや肺がん、胃がん、頭頚部がん、卵巣がん、食道がん、前立腺がん、子宮体がんなど多くのがんに対する治療薬として使われます。ここでは、ドセタキセルの作用や特徴、効果、副作用、注意点などについて説明します。ただし、他の治療薬と同じように、ドセタキセルの効果や副作用は個人によって異なることも理解しておいてください。
ドセタキセルは、「タキサン系抗がん剤」というグループに属している抗がん剤で、ヨーロッパイチイという樹木の針葉から抽出した成分で作った薬剤です。ドセタキセルは、がん細胞が分裂するときに現れる微小管(びしょうかん)に作用し、がんが細胞分裂するのを阻止する働きが期待できます。
世界のさまざまな国で使用されており、日本でも各種のがんの治療で使われています。ドセタキセル3週1回投与する治療(ドセタキセル療法)は、乳がんの代表的な治療法です。ドセタキセルの副作用として、手足のむくみや胸・お腹への水分貯留などが挙げられます。この症状を予防するために、あらかじめ副腎皮質ホルモン(デキサメタゾン注)を投与します。
ドセタキセルは、植物成分を原料にして作られた抗がん剤で、乳がんや肺がん、胃がん、頭頚部がん、卵巣がん、食道がん、前立腺がん、子宮体がんなどに対して使用される薬です。がんの種類により、使用するドセタキセルの量や使い方が異なります。ドセタキセルは、がん細胞の増殖を抑える作用があります。
ドセタキセルは、乳がんや肺がん、胃がん、頭頚部がん、卵巣がん、食道がん、前立腺がん、子宮体がんなどに対する効果を期待できます。
同名のドセタキセルという有効成分が、がん細胞の分裂に必要な微小管(びしょうかん)に働きかけ、がん細胞の増殖を抑えます。微小管は、がん細胞の分裂に必要な細胞構成成分です。
ドセタキセルの用法・用量は、がんの種類によって異なります。例えば、成人の乳がんや肺がん、胃がん、頭頚部がんなどに対して使用する場合には、1日1回60㎎/㎡(体表面積)を1時間以上かけて、3~4週間間隔で点滴静注します。患者さんの状態を考慮し、投与量は適宜調整されます。
ドセタキセルを治療薬として使用する場合には、基本的な注意点がいくつかあります。
ドセタキセルの使用中に、骨髄抑制という副作用が出る場合があります。骨髄抑制が起こると、感染症にかかりやすくなるだけでなく、重症化しやすいことが知られています。発熱や炎症反応を認めたら、感染症を疑い、すぐに抗生剤投与などの適切な処置が必要になります。
ドセタキセルに対して、重い過敏症状が起こる場合があります。過敏症状は、発疹、呼吸困難、胸痛、低血圧、頻脈、発汗などです。過敏症状は、治療開始から数分以内に起こることがあるので、血圧や脈拍数などを含めた患者さんの状態を治療開始後1時間は繰り返し測定した方がよいとされています。治療後に、もし過敏症状が疑われたら、すぐにドセタキセルの使用を中止し、適切な処置を行います。
点滴を受ける前に、以下を確認し、該当する方は医師や看護師に必ず知らせるようにしてください。
ドセタキセルにはアルコールが含まれているので、点滴当日は自分で車を運転しないようにしてください。また、お酒に弱い方やアルコールに過敏の方は、あらかじめ医師や看護師に知らせるようにしておきましょう。
点滴中は、以下2つの項目に注意し、何か異常を感じる場合には、早めにスタッフへ知らせるようにしてください。
上記のことがある場合、点滴液が血管の外に漏れてしまっている可能性があります。潰瘍などの原因となることがあるので、必ず医師や看護師に知らせるようにしましょう。
点滴開始から10分間は、以下の症状に特に注意するようにしてください。以下のような症状が見られた場合、ドセタキセルにアレルギー反応が出ている可能性があります。
上記の症状は点滴終了後に起きることもあります。異常を感じた場合はもちろん、気になることがある方は医師や看護師に必ず相談するようにしましょう。
子宮体がんに対する術後補助化学療法においては、ドセタキセルの有効性は確立していません。術後補助化学療法とは、手術の後に身体の中に残っているがん細胞に対して抗がん剤を使用し死滅させることで、再発を抑える治療法です。
また、前立腺がんに対してドセタキセルで治療する場合には、遠隔転移があるか、去勢抵抗性の患者さんにしか使用できません。去勢抵抗性前立腺がんとは、男性ホルモンを抑える治療を行っているのに進行してしまった前立腺がんのことです。
ドセタキセルの使用量が増えると、骨髄抑制が強く出ることがあるので注意が必要です。
ドセタキセルを使用できないのは、以下の方です。
一般的に、高齢者は生理機能が低下しているケースが多いため、投与する際には副作用の発現に注意し、投与間隔や投与量に留意する必要があります。副作用が見られた場合には、休薬や投与間隔の延長などの適切な処置を行います。
ドセタキセルを使用中に副作用が出ることがあるので、体調に変化があった時にはすぐに担当医に相談するようにしましょう。副作用によっては、使用を中止する必要があります。 ドセタキセルの使用中に見られる可能性のある副作用には、以下のようなものが挙げられます。
今回挙げた症状以外でも、ドセタキセルによる副作用の場合もあるので心配なことがあれば担当医に聞いてみるようにしてください。
ドセタキセルの使用中に、重大な副作用が起こることがあります。適切に対処しないと命に関わる場合もあるので注意が必要です。ドセタキセルを使用中に、体調に変化があった時にはすぐに担当医に相談するようにしてください。
体質によって、ドセタキセルに対して強いアレルギー反応が出ることがあります。強いアレルギー反応により、血圧低下や呼吸困難、胸痛などのような命の危険がある症状を起こすことをアナフィラキシーとよびます。アナフィラキシーが疑われる場合には、ドセタキセルの使用を中止します。
副作用として間質性肺炎が起こると、命に関わる可能性があることはよく知られています。間質性肺炎の症状は、発熱、咳、呼吸困難などです。ドセタキセルを使用中に間質性肺炎の発症を認めた場合には、すぐに使用を中止します。
肝機能障害は、ドセタキセルに限らず、多くの薬で見られることのある副作用です。肝機能障害に早めに気付くために、医療機関では定期的な血液検査で肝酵素やビリルビンの数値を確認する必要があります。
腸管穿孔や腸管出血、腸管閉塞は命に関わる副作用として知られています。腸管穿孔では、腸管に穴が開いている状態になります。腸管閉塞になると、腸の中にある食べ物や便などがうまく肛門の方へ運ばれなくなります。主な症状は、腹痛や吐血、下血、下痢などです。腸管に異常が起こった場合には、ドセタキセルの使用を中止する必要があります。
ドセタキセルの使用中に、腎機能が低下する急性腎障害という副作用が起こることがあります。急性腎障害は命に関わる可能性のある副作用の1つなので、ドセタキセルの中止を検討する必要があります。
急性膵炎は、命に関わる可能性のある副作用の1つです。腹痛や背部痛、嘔吐、発熱などが急性膵炎の症状として挙げられます。