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イリノテカンは、肺がんや胃がん、子宮頸がん、卵巣がん、大腸がん、乳がん、悪性リンパ腫、すい臓がんなど多くのがんに対する治療薬として使われます。ここでは、イリノテカンの作用や特徴、効果、副作用、注意点などについて説明します。ただし、他の治療薬と同じように、イリノテカンの効果や副作用は個人によって異なることも理解しておいてください。
イリノテカンは、植物由来の抗がん剤で、肺がんや胃がん、子宮頸がん、卵巣がん、大腸がん、乳がん、悪性リンパ腫、すい臓がんなど多くのがんに対して使用される薬です。がんの種類により、使用するイリノテカンの量や使い方が異なります。イリノテカンは、がん細胞の分裂に必要な酵素の働きを抑えるので、がん細胞の増殖を抑える作用があります。
イリノテカンは、肺がん、子宮頸がん、卵巣がん、腎がん、結腸・直腸がん、乳がん、悪性リンパ腫、すい臓がんなどに対する効果を期待できます。
イリノテカン塩酸塩水和物という有効成分が、がん細胞の分裂に必要な酵素の働きを抑えるので、がん細胞が増えないように作用します。
イリノテカンの用法・用量は、がんの種類によって異なります。例えば、成人の肺がんや卵巣がん、子宮頸がんなどに対して使用する場合には、1日1回100㎎/㎡(体表面積)を1週間間隔で3~4回点滴静注し、少なくとも2週間は休薬します。これを1クールとして、繰り返し行います。投与量は、医師の判断により年齢や症状を考慮し適宜調整されます。
イリノテカンを治療薬として使用する場合には、基本的な注意点がいくつかあります。
・骨髄抑制イリノテカンの使用中に、骨髄抑制という副作用が出る場合があります。骨髄抑制とは、赤血球や白血球、血小板を作っている骨髄のはたらきが低下することです。白血球には身体に侵入した細菌を攻撃するはたらきがあるので、骨髄抑制が起こると感染症にかかりやすくなるので注意が必要です。
・下痢イリノテカンの投与直後や数日後に、下痢の症状が出ることがあります。下痢が続くと、脱水になる場合があるので注意が必要です。高度な下痢の場合には、全身状態が悪くなり、呼吸困難や血圧低下、意識障害などの症状が出ることもあります。
術後補助化学療法においては、イリノテカンの有効性は確立していません。術後補助化学療法とは、手術の後に身体の中に残っているがん細胞に対して抗がん剤を使用し死滅させることで、再発を抑える治療法です。
前回の使用後に、好中球減少や下痢、血小板減少などの副作用が起こった場合には、減量を検討する必要があります。
イリノテカンを使用中に副作用が出ることがあるので、体調に変化があった時にはすぐに担当医に相談するようにしましょう。副作用によっては、使用を中止する必要があります。 イリノテカンの使用中に見られる可能性のある副作用には、以下のようなものが挙げられます。
今回挙げた症状以外でも、イリノテカンによる副作用の場合もあるので心配なことがあれば担当医に聞いてみるようにしてください。
イリノテカンの使用中に、重大な副作用が起こることがあります。適切に対処しないと命に関わる場合もあるので注意が必要です。イリノテカンを使用中に、体調に変化があった時にはすぐに担当医に相談するようにしてください。
体質によって、イリノテカンに対して強いアレルギー反応が出ることがあります。強いアレルギー反応により、血圧低下や呼吸困難、胸痛などのような命の危険がある症状を起こすことをアナフィラキシーとよびます。アナフィラキシーが疑われる場合には、イリノテカンの使用を中止します。
副作用として間質性肺炎が起こると、命に関わる可能性があります。間質性肺炎の症状は、発熱、咳、呼吸困難などです。イリノテカンを使用中に間質性肺炎の発症を認めた場合には、すぐに使用を中止します。
肝機能障害は、イリノテカンに限らず、多くの薬で見られることのある副作用です。肝機能障害に早めに気付くために、医療機関では定期的な血液検査で肝酵素やビリルビンの数値を確認する必要があります。
腸管穿孔や腸管出血、腸管閉塞は命に関わる副作用として知られています。腸管穿孔では、腸管に穴が開いている状態になります。腸管閉塞になると、腸の中にある食べ物や便などがうまく肛門の方へ運ばれなくなります。腸管に異常が起こった場合には、イリノテカンの使用を中止する必要があります。
イリノテカンの使用中に、腎機能が低下する急性腎障害という副作用が起こることがあります。急性腎障害は命に関わる可能性のある副作用の1つなので、イリノテカンの中止を検討する必要があります。