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論文が掲載

ANK療法が固形癌にも有効な
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NK細胞を用いるANK免疫細胞療法の普及を推進するリンパ球バンク株式会社では、治療・研究のため細胞培養センターを運用しています。今回、その施設を利用し、医療法人えびのセントロクリニック(宮崎県・えびの市)の副院長医学博士長井賢次郎先生らが、ANK療法は固形癌にも有効との論文を投稿し、学術誌Journal of Blood and lymphに掲載されました。以下、その内容をご紹介していきます。

論文の内容

Amplified Natural Killer(ANK)療法とは、患者自身の血液から採取した免疫細胞、ナチュラルキラー細胞を増幅(Amplified)し、増殖をさせてがんを特異的に攻撃する能力を高め、体内に戻す治療です。これは、1980年代にアメリカで行われたLAK療法の安全性と有効性を高めるために改良された免疫細胞療法となります。あらゆるがんに対して有効で、特に化学療法による副作用が激しく、治療も困難なATL(成人T細胞白血病)に有効です。また、それに加えて、これまでの報告から固形がんにも非常に効果的なことがわかっています。

ATL「成人T細胞白血病」とは

ATL「成人T細胞白血病」は、HTLV-1というウィルス感染による血液のがんです。ウィルスキャリアのうち、生涯で数%の人が発症すると言われています。抗がん剤が効きにくく、血液腫瘍の中でも最も予後不良な疾患のひとつで、余命中央値は13ヶ月とも言われます。ATL治療薬はありますが、副作用も激しく高齢者や腎不全などの疾患のある場合は治療を躊躇することもあります。一方で、このALTに有効な研究報告のあるANK免疫細胞療法では、一時的な発熱はありますが、強い副作用はなく、多くの方に対応できる治療なのです。

免疫細胞療法で白血病は治療できないと言われている理由

免疫細胞療法は培養をするために患者の血液から免疫細胞を採取する必要があります。しかし、白血病の場合、血液にがん細胞があるため、培養中にがん細胞が増殖してしまい、患者に戻すのは問題があります。このことが、免疫細胞療法で白血病は治療できないと言われている理由です。しかし、ANK免疫細胞療法では、混入がん細胞があるレベル以下であれば、培養中ATL細胞をPCR検査で検出できないレベルに減少させることが報告されています。

ANK免疫細胞療法について

ANK免疫細胞療法では、患者の血液を5~8リットル、成分採血等に用いる装置で体外循環させ、血液に含まれるリンパ球を選別し、採り出します。その後、採取した血液中にあるNK細胞を高度に活性化すると同時に選択的に増殖させます。しかし、このとき、NK細胞をあまりに活性化させると、体内で悪影響を及ぼすことがあります。そのため、ANK免疫細胞療法では、さまざまな工夫を施して、臨床上の実用として意味のあるレベルの活性化と増殖の両立を成し遂げ、安全性を確保しています。

免疫細胞療法の背景と特徴

NK細胞は、がん細胞を認識する専用センサーを多数備え攻撃力も強く、体内の存在数も1000億個レベルと非常に多い腫瘍免疫の主役といえる免疫細胞です。そこで、米国国立衛生研究所(NIH)では、NK細胞を体外に採り出し、強く刺激してから患者体内に戻す免疫細胞療法の大規模臨床試験を実施、一定の効果を得ています。しかし、強力すぎるNK細胞は、大きな腫瘍の壊死を促し、内部のカリウムやリンが放出、心停止などのリスクが発生したのです。そこで、ANK免疫細胞療法では、そのリスクを抑えるため、投与数の上限を決め、投与パターンを新たに開発し、安全性を高めています。

通院治療も可能な治療

ANK免疫細胞療法1クールは、NK活性においても、NK細胞数においても上記の米国国立衛生研究所の方法を上回るため、腫瘍壊死の危険があります。そのため、培養細胞は凍結保管され、1クールを12回に分け融解・再培養を行いながら、原則、週2回ずつに分割投与することで、クリニックでの通院治療が可能な安全性を確保しています。

副作用と進行がんについて

国内で実施されている一般的な免疫細胞療法の場合には、若干の微熱などだけで、強い副反応は見られません。しかし、ANK免疫細胞療法では、強い免疫刺激の結果として、40度前後の発熱を伴います。また、進行がんにおいて、標準治療では、がん細胞が飛び散ってしまうと一般に予後不良です。体内に分散するがん細胞を追いかけ、一つずつ仕留めるNK細胞をがん治療に活用することは、進行がんの治療において重要だと考えられます。

このページの監修者

木村 眞樹子 医師

東京女子医科大学医学部卒業後、循環器内科、内科、睡眠科として臨床に従事している。
妊娠、出産を経て、また産業医としても働くなかで予防医学への関心が高まった。医療機関で患者の病気と向き合うだけでなく、医療に関わる前の人たちに情報を伝えることの重要性を感じ、webメディアで発信も行っている。

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