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ステージ4のがんとは

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がんのステージは0から4までの5段階に分類され、進行するほどステージが上がります。ステージによって治療方法や方針が異なるため、正確に把握することが重要です。こちらでは、大腸がんや乳がんなど、さまざまながんのステージ4の特徴や治療法について解説します。

がんのステージ(病期)とは

がんの進行度を示す指標のことを「ステージ(病期)」といいます。がんと診断されると、まずはCT検査やMRI検査などの画像検査を行い、どの程度広がっているのかを詳しく調べます。検査結果をもとに、がんの大きさや広がり方、リンパ節への転移の有無、遠隔転移があるかどうかを総合的に判断し、ステージが決まります。

ステージは0から4までの5段階に分けられ、数字が大きくなるほど進行していることを意味します。ステージ0はごく初期のがんで、限られた範囲にとどまっていますが、ステージ4になると、がんが他の臓器へ広がっている状態です。

ステージによって治療の方法や今後の経過が大きく変わるため、自分のがんがどの段階にあるのかを正しく理解することが大切です。また、がんの進行によってステージが変わることもあるため、定期的に検査を受け、必要に応じて治療方針を見直していくことも重要です。

ステージ4のがんとは

がんが進行すると、血液やリンパの流れに乗ってほかの臓器に広がることがあります。このように、がんが最初に発生した場所から離れた臓器に転移した状態を「遠隔転移」といい、遠隔転移が確認されるとステージ4と診断されます。転移しやすい臓器としては、肺、肝臓、脳、骨などが代表的です。

ステージ4のがんは、がんが全身に広がっているため、手術で完全に取り除くことが難しいケースが多く、抗がん剤治療や放射線治療が中心となります。ただし、これらの治療だけで体内のがんをすべて死滅させるのは難しく、ほかのステージと比べて生存率が低いのが現状です。

とはいえ、ステージ4=末期がんというわけではありません。がんの種類や広がり方、患者さんの体調によっては、治療を続けながら長期間生活できる場合もあります。治療の選択肢はさまざまあるため、主治医とよく相談しながら、自分に合った治療法を見つけていくことが大切です。

標準治療とANK免疫細胞療法の併用効果

ステージ4のがんは、がんがほかの臓器に転移している状態です。手術が可能であれば切除を試みますが、手術が適応となるケースは限られており、抗がん剤による化学療法や放射線治療が中心となります。しかし、これらの治療を行っても、がん細胞が完全に消失するとは限らず、治療の効果が限定的であったり、副作用の影響が大きかったりすることもあります。

進行がんの治療では、ひとつの治療を試し、効果がなければ次の治療へ移るという流れになりがちですが、その間に病状が進行し、選択肢が限られてしまうことも少なくありません。そのため、治療の初期段階から可能な選択肢をすべて検討し、積極的に組み合わせていくことが重要です。

こうしたアプローチの一つとして注目されるのが、患者さん自身のNK細胞を活性化させるANK免疫細胞療法です。体外でNK細胞を増殖・活性化させて体内に戻す治療で、がん細胞に対する免疫の攻撃力を高めることが期待されます。

ANK免疫細胞療法の治療効果を左右するのは、患者さん自身のNK細胞の活性度です。がんの進行とともにNK細胞の機能は低下し、また、抗がん剤治療や放射線治療の影響でダメージを受けることもあります。そのため、あらゆる治療を試したあとでANK免疫細胞療法にたどり着いても、体力や免疫機能が低下していれば十分な治療効果が期待できない可能性があります。

種類別に見る
ステージ4のがんの特徴

ステージ4の大腸がん

大腸がんがほかの臓器に転移している場合や、腹膜播種(ふくまくはしゅ)がある場合は、ステージ4と診断されます。腹膜播種とは、大腸の外側にある腹膜にがん細胞が広がり、散らばった状態のことを指します。がん細胞はリンパ液や血液の流れに乗って移動し、肝臓、肺、骨、脳などに転移することが多いとされています。

がんが進行すると、血便や粘液便が出たり、便が硬くなったり細くなったりするなど、便の形状に変化が見られることがあります。また、便秘や下痢を繰り返す、腹部の不快感や膨満感が続く、貧血による息切れや倦怠感がある、体重が減少する、食欲がなくなるといった症状が出ることもあります。

さらに、がんが大きくなると腸の通り道がふさがれ、便が出なくなったり、腹痛や嘔吐といった症状が現れることもあります。また、肝臓や肺に転移したがんが先に見つかり、その後の検査で大腸がんが発見されるケースも少なくありません。

ステージ4の大腸がんの5年相対生存率は18.3%とされています。

▼大腸がんの5年相対生存率

ステージ5年相対生存率
(2014-2015年)
ステージ192.3%
ステージ285.5%
ステージ375.5%
ステージ418.3%

出典:国立がん研究センターがん情報サービス|院内がん登録生存率集計結果閲覧システム 大腸がん5年生存率

ステージ4の大腸がんの治療法

ステージ4の大腸がんでも、がんが切除できると判断された場合は手術が行われます。転移があったとしても、切除が可能な場合は、転移した部位のがんも含めて手術が選択肢の一つとなります。

一方で、がんが広がっており手術で取りきれないと判断された場合は、薬物療法や放射線治療が行われます。ただし、薬物療法によってがんが縮小し、手術で切除できる状態になれば、手術を検討するケースもあります。

また、がんそのものを取り除くことが目的ではなくても、腸の閉塞や穿孔(腸に穴が開くこと)、貧血、強い痛みといった症状を和らげるために手術を行うこともあります。

ステージ4の肺がん

肺がんが進行し、反対側の肺にも広がっている場合や、肝臓、脳、骨などのほかの臓器に転移している場合は、ステージ4と診断されます。5年相対生存率は8.0%とされています。

肺がんは初期の段階では自覚症状が少なく、咳や痰、発熱などの症状が風邪や肺炎と似ているため、気づいたときにはすでにステージ4まで進行していることも少なくありません。

ステージ4の肺がんでは、慢性的な咳や痰、血痰(血の混ざった痰)、声がれ、胸や肩の痛み、倦怠感、発熱、呼吸が苦しくなる、動悸がするといった症状が出ることがあります。また、がんが脳や骨に転移すると、頭痛やけいれん、骨の痛みなどの症状が現れることもあります。

▼肺がん(全体)の5年相対生存率

ステージ5年相対生存率
(2014-2015年)
ステージ181.5%
ステージ251.0%
ステージ328.6%
ステージ48.0%

出典:国立がん研究センターがん情報サービス|院内がん登録生存率集計結果閲覧システム 肺がん(全体)5年生存率

ステージ4の肺がんの治療法

ステージ4の肺がんは手術で完全に取り除くことが難しいため、薬物療法が中心となることが多いです。薬物療法には、抗がん剤や分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬などがあり、患者さんの体の状態や肺がんの種類、免疫の状況などを考慮して治療法が選ばれます。

また、肺がんによる症状を和らげるために放射線治療を行うこともあります。たとえば、骨転移による痛みがある場合や、脳への転移によってけいれんが起こる場合などには、放射線治療を検討します。身体の状態が良ければ、薬物療法と放射線治療を組み合わせて行うことも可能です。

ステージ4の胃がん

がんの大きさや深さ、リンパ節への転移の有無に関わらず、ほかの臓器にまで広がっている場合はステージ4と診断されます。5年相対生存率は6.3%です。

ステージ4の胃がんでは、胃の不快感や痛み、吐き気、嘔吐、胃もたれ、倦怠感、食欲不振といった症状がみられることがあります。また、がんから出血すると貧血症状や黒い便が出ることも。貧血が進行すると、動悸や息切れ、めまいが起こることもあります。さらに進行すると、がんによって食べ物がつかえたり、体重が減る、下痢が続くといった症状がみられることもあります。

▼胃がんの5年相対生存率

ステージ5年相対生存率
(2014-2015年)
ステージ192.8%
ステージ267.2%
ステージ341.3%
ステージ46.3%

出典:国立がん研究センターがん情報サービス|院内がん登録生存率集計結果閲覧システム 胃がん5年生存率

ステージ4の胃がんの治療法

ステージ4の胃がんは、手術で完全に切除するのが難しいことが多いため、薬物療法や放射線治療が主な治療方法となります。ただし、胃の出口にがんができて食事がとれなくなったり、がんからの出血が繰り返される場合には、症状を和らげる目的で手術を行うこともあります。

がん細胞の表面にHER2(ハーツー)と呼ばれるタンパク質が多く発現している場合、HER2を標的とした分子標的薬を使用することで治療効果が期待できます。HER2の発現が少ない「HER2陰性胃がん」の場合は、抗がん剤による治療が中心となります。どちらの治療を行うかは、薬物療法を始める前にHER2の検査を行い、がんのタイプを確認したうえで決定されます。

ステージ4の乳がん

乳がんが乳房の外に広がり、ほかの臓器に転移している場合は、ステージ4と診断されます。転移しやすい場所としては骨や肺、肝臓、脳などがあり、特に骨への転移が最初に起こることが多いとされています。5年相対生存率は39.8%です。

ステージ4の乳がんでは、硬くて動かないしこり、乳房の痛み、皮膚のひきつれやくぼみ、乳房の赤みや形の変化、左右の大きさの違い、乳頭の陥没、乳頭からの分泌物などの症状がみられることがあります。また、転移した場所によっては、背中や腰、肩の痛み、頭痛、けいれん、咳、息苦しさなどの症状が出ることもあります。

骨に転移した場合は、骨がもろくなり、骨折しやすくなることがあります。また、骨から溶け出したカルシウムの影響で、胃のむかつきやお腹の張り、便秘といった症状が出ることもあります。

▼乳がんの5年相対生存率

ステージ5年相対生存率
(2014-2015年)
ステージ198.9%
ステージ294.6%
ステージ380.6%
ステージ439.8%

出典:国立がん研究センターがん情報サービス|院内がん登録生存率集計結果閲覧システム 乳がん5年生存率

ステージ4の乳がんの治療法

ステージ4の乳がんは、がんがほかの臓器に転移しているため、手術で完全に取り除くのが難しく、基本的に薬物療法が中心となります。ただし、乳房にただれや出血といった皮膚の症状がある場合や、薬物療法によってがんが小さくなった場合には、手術が検討されることもあります。

薬物療法は、ホルモン療法、抗がん剤治療、抗HER2療法、免疫療法があり、がんのタイプに合わせて選択されます。たとえば、女性ホルモンが影響してがんが増殖するタイプの乳がんにはホルモン療法を行い、HER2というタンパク質を利用して増殖するタイプには、HER2を標的とした分子標的薬を使用する「抗HER2療法」が選ばれます。

ステージ4の前立腺がん

ステージ4の前立腺がんは、がんが前立腺の外へ広がり、ほかの臓器や骨に転移している状態です。5年相対生存率は60.1%とされています。

ステージ4の前立腺がんでは、夜中に何度もトイレに行きたくなる、尿の勢いが弱くなる、排尿に時間がかかる、いきまないと尿が出にくい、血尿がみられるといった症状が出ることがあります。また、がんが全身に広がることで、倦怠感や体重減少、下半身のむくみなどが起こることもあります。

がんがほかの臓器や骨に転移すると、背中や腰、股関節の痛み、下半身の麻痺、咳、呼吸困難などの症状が現れることがあります。前立腺がんは特に骨に転移しやすく、骨がもろくなることで骨折のリスクが高まることも知られています。

▼前立腺がんの5年相対生存率

ステージ5年相対生存率
(2014-2015年)
ステージ1100.0%
ステージ2100.0%
ステージ398.5%
ステージ460.1%

出典:国立がん研究センターがん情報サービス|院内がん登録生存率集計結果閲覧システム 前立腺がん5年生存率

ステージ4の前立腺がんの治療法

ステージ4の前立腺がんでは、ホルモン療法、化学療法、放射線療法などの治療が行われます。

前立腺がんは男性ホルモンの影響で増殖するため、ホルモン療法では、男性ホルモンの分泌や作用を抑える薬を使用し、がんの進行を抑えます。ホルモン療法が効果を発揮しにくい場合には、抗がん剤を用いた化学療法が検討されます。

放射線療法には、外部照射療法と内部照射療法の2種類があります。外部照射療法は、身体の外側から放射線を照射する方法で、内部照射療法では放射線を出す小さなカプセルを体内に埋め込み、内部からがんを治療する方法です。

転移したがんが近くの臓器にとどまっている場合は、手術が検討されることもあります。

ステージ4の肝臓がん

肝臓がんのステージ4は、リンパ節や遠隔臓器への転移の有無によって「4A」と「4B」に分類されます。ステージ4Aは、肝臓がんがリンパ節に転移しているものの、ほかの臓器には転移していない状態を指します。ステージ4Bは、肝臓とリンパ節に加えてほかの臓器にも転移が見られる、がんが最も進行した状態です。

ステージ4の肝臓がんでは、複数のがんが肝臓内に発生し、がんの大きさが2cm以上になっていることが多く、肝臓内の血管や胆管、門脈にまで広がっているケースもあります。5年相対生存率は4.4%とされています。

症状としては、腹部のしこりや張り、痛み、むくみ、下痢、腹水、倦怠感、食欲低下、体重減少などがみられます。また、黄疸(おうだん)と呼ばれる、白目や皮膚が黄色くなる症状が出ることもあります。さらに、がんが進行すると足のむくみが現れることもあります。

▼肝細胞がんの5年相対生存率

ステージ5年相対生存率
(2014-2015年)
ステージ163.0%
ステージ245.2%
ステージ316.0%
ステージ44.4%

出典:国立がん研究センターがん情報サービス|院内がん登録生存率集計結果閲覧システム 肝細胞がん5年生存率

ステージ4の肝臓がんの治療法

肝臓がんの治療は、ステージだけでなく、肝臓の機能がどれくらい保たれているかも重要な判断基準となります。ステージ4まで進行している場合は、肝臓への負担を最小限にするために肝切除(手術)は行わず、薬物療法が中心となることが多いです。

ステージ4Aの肝臓がんでは、抗がん剤を肝臓に直接注入する治療や、点滴や服薬による全身への抗がん剤治療が行われることがあります。ステージ4Bの肝臓がんでは、分子標的薬や抗がん剤による治療を行いながら、肝臓の機能が低下している場合は肝移植が検討されることもあります。

ただし、肝移植は体への負担が大きく、すべての患者さんに適応できるわけではありません。そのため、症状を和らげるための緩和ケアが中心となることもあります。

ステージ4の膵臓がん

ステージ4の膵臓がんは、がんが膵臓を超えてほかの臓器に転移している状態です。5年相対生存率は1.6%と低く、あらゆるがんのなかでも、特に予後が悪いとされています。また、膵臓がんは初期の段階では症状がほとんどなく、発見されたときにはすでにステージ4まで進行していることが多いのが特徴です。

ステージ4の膵臓がんでは、腹痛や背中の痛み、黄疸(おうだん)、下痢、食欲低下、体重減少などの症状がみられることがあります。黄疸は、がんが大きくなって胆汁(消化を助ける液体)の流れをふさいでしまうことで、皮膚や白目が黄色くなる症状です。

がんが肺に転移すると、息苦しさや運動時の疲れやすさ、咳、血痰といった症状が出ることがあります。さらに、骨に転移すると、歩行時の痛みや違和感、骨折のリスクが高まることもあります。

▼膵臓がんの5年相対生存率

ステージ5年相対生存率
(2014-2015年)
ステージ153.4%
ステージ222.5%
ステージ36.2%
ステージ41.6%

出典:国立がん研究センターがん情報サービス|院内がん登録生存率集計結果閲覧システム 膵臓がん5年生存率

ステージ4の膵臓がんの治療法

ステージ4の膵臓がんは、手術で完全に切除するのが難しいため、薬物療法が中心となります。

薬物療法では、抗がん剤を使った化学療法が行われます。一般的に、まずは一次化学療法が行われ、もし効果が十分に得られなくなった場合は、抗がん剤の種類を変更し二次化学療法へと移行します。

また、がんが大きくなり、胃や十二指腸を圧迫して食べ物が通りにくくなった場合は、食事をスムーズに取れるようにするための手術を行うことがあります。黄疸の症状が強い場合は、胆汁の流れを良くするための処置を検討することもあります。

如月 真紀

<この記事を書いたのは・・・>

如月 真紀(きさらぎ まき)

医師、医学博士、総合内科専門医。都内の大学病院勤務を経て、現在はアメリカで研究中。医療関連の記事の執筆や監修、医療系動画監修、医療系コンテンツ制作など幅広く手がけている。研究の傍ら、医学の知識や医師の経験を活かし、患者や患者家族のためになるコンテンツ作成を目指している。

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