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腎臓がん(腎がん)と抗がん剤治療

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腎臓がんは、初期の場合にはほとんど症状がないので、健診や他の病気の検査で偶然に見つかることが多いです。腎臓がんの治療には、手術、薬物療法、放射線療法、監視療法などがあります。腎臓がんに対しては、主に分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬で薬物療法を行いますが、副作用でやめたいと思う方も多いといわれています。

こちらでは腎臓がんの特徴や治療法、特に抗がん剤治療について解説します。

腎臓がん(腎がん)の特徴

腎臓がんは偶然見つかることが多い

初期の腎臓がんの場合には、ほとんど症状がないため、健診や人間ドッグ、他の病気のための検査などで偶然見つかることが多いといわれています。

腎臓がんには、大きく分けて2種類あり、がんになった細胞の場所によって腎細胞がん、または腎盂(じんう)がんと呼ばれます。ただし、腎臓がんのほとんどが腎細胞がんなので、一般的に腎臓がんという時には腎細胞がんを意味します。

腎臓がんが特に転移しやすい場所は肺ですが、骨や肝臓、副腎、脳などに転移する場合もあります。転移したがんに対する検査を行い、腎臓がんが見つかることもあります。

腎臓がん(腎がん)の症状

初期のがんの場合には症状がないことがほとんどですが、腎臓がんの場合にも同様です。

腎臓がんが大きくなると、背中や腰の痛みや腹部のしこり、足のむくみ、腹痛、吐き気、食欲低下、便秘、血尿などの症状が出ることがあります。尿に血液が混じる血尿は、感染症や結石などでも見られますが、腎臓がんの場合には痛みを伴わない血尿である場合が多いです。

腎臓がんは、肺や骨、肝臓、副腎、脳などに転移することがあり、転移した場所によって出る症状が異なります。たとえば、肺に転移した場合には、胸痛や咳、血液の混じった痰などが見られます。骨に転移すると、頭痛や手足の麻痺などの症状が出る場合があります。

がんが進行し、全身に広がると全身倦怠感や発熱、体重減少などの症状が出ます。

腎臓がん(腎がん)のステージ分類

腎臓がんは、がんの大きさや広がり、リンパ節や他の臓器への転移などによってステージが決まります。腎臓がんのステージは、Ⅰ期、Ⅱ期、Ⅲ期、Ⅳ期に分けられ、がんが進行すると数字が大きくなります。腎臓がんのステージを特定するために、主に画像検査が行われ、がんの大きさや転移の有無などを調べます。

腎臓がんの治療方針は、がんのステージや性質、患者の全身状態、合併症の有無などを考慮し決められます。

腎臓がん(腎がん)の診断・検査

腎臓がんは、健診や人間ドッグ、他の病気に対する検査で偶然見つかることが多いですが、確定診断するためにはCT検査が必要です。何らかの理由でCT検査を行えない場合には、MRI検査で代用します。

画像診断で診断ができない場合には、生検といって直接がんが疑われる部分に針を刺し、採取した組織を顕微鏡で見て診断する方法を選択することがあります。血液検査では腎臓がんの診断はできませんが、腎臓の機能や全身状態の把握のために行います。

腎臓がん(腎がん)の治療法

腎臓がんの治療方針は、がんのステージやがんの種類、年齢、全身状態、合併症、本人の希望などを元に決定されます。

ステージⅠ~Ⅲ期の腎臓がんに対する標準治療は、基本的に手術です。しかし、がんが小さい場合には、手術よりも身体への負担が少ない凍結療法を選択することもあります。

ステージⅣ期の腎臓がん、いわゆる転移や、がんがすでに広がっている場合には、薬物療法や放射線療法を検討します。治療の効果を高めるために、ステージⅢ期やⅣ期の腎臓がんに対して手術の前に分子標的薬を使用する場合もあります。

手術(外科治療)

腎臓がんに対する手術の方法には、腎摘除術腎部分切除術があります。腎摘除術では、がんのある腎臓をすべて切り取ります。一方で、腎部分切除術では、がんの存在する部分だけ切り取り、残りの腎臓は残します。最近では、画像技術が向上しているので、がんがまだ小さいうちに見つかることも多く、腎部分切除術が選択される機会が増えています。

手術のやり方には、開腹手術か腹腔鏡手術があります。開腹手術では、おなかを切って手術をしますが、腹腔鏡手術ではおなかに開けた小さい穴から腹腔鏡と呼ばれるカメラを入れて、カメラの映像を見ながら手術をします。腹腔鏡手術の方が傷は小さく、手術の後の回復も早いですが、カメラの映像を見ながら手術を行うので高度な技術が必要で、手術時間が長くなる可能性もあります。

腹腔鏡手術では、ロボットを遠隔操作しながら行うロボット支援手術を検討する場合もありますが、高度な技術と特別な機械を要するため、どの施設でも行えるわけではありません。

腎部分切除術

腎臓がんがまだ小さいうちに見つかった場合には、腎部分切除術を行います。がんが生じている部分の腎臓だけを切り取るので、残った腎臓の機能を温存できるというメリットがあります。腎臓の機能を温存できれば、長期的に見ると腎機能の低下や腎機能低下に伴う合併症への影響が小さくなります。4cm以下の小さい腎臓がんに対して検討されますが、がんの発生している場所によっては適応されないことがあります。

腎部分切除術の合併症で、縫い合わせた部分からの出血や尿もれが起きることがあります。

腎摘除術

腎臓は、基本的に左右に2つある臓器です。腎摘除術では、がんが存在する方の腎臓をすべて切り取ります。腎部分切除術では対応できない腎臓がんに対して選択されます。がんの広がっている程度によっては、腎臓だけでなく、周囲の他の臓器や血管内のがんを切除する場合もあります。

腎摘除術後には、腎臓が1つになってしまいますが、残った腎臓が正常に動いていれば日常生活に支障はありません。ただし、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病や心血管疾患などの合併症がある場合には、長期的に見ると腎機能が低下して、腎不全になる可能性もあるので注意が必要です。

監視療法

がんが小さく、腎臓内にとどまっているような場合には、監視療法が選択されることがあります。手術などの負担が大きい治療を行わず、CT検査やMRI検査などの画像検査を定期的に行い、がんや身体の状態の経過を見る方法です。

特に、高齢の場合や合併症があるため手術が難しい場合に、監視療法が検討されます。

凍結療法

凍結療法とは、身体の外から特殊な針を腎臓がんに刺し、アルゴンガスで凍らせることによってがん細胞を死滅させる方法です。超音波検査やCT検査などで腎臓がんのある場所を確認しながら行います。腎臓がんが小さい場合に選択肢の1つとなる治療法です。

特に、患者が高齢の場合や合併症によって手術が難しい場合、手術を希望しない場合に検討されます。

薬物療法

腎がんでは基本的に手術を行うことが一般的です。手術でがんを取り切れない場合、腎がんの転移に対して薬物療法をおこなっていきます。腎臓がんに対する薬物療法では、主に分子標的薬サイトカイン療法、免疫チェックポイント阻害薬を含む免疫療法がおこなわれます。

分子標的薬は、がん細胞が増えるために必要なタンパク質やがん細胞に栄養を運ぶ血管などを標的にしてがんを攻撃する薬です。

サイトカイン療法は、サイントカインの免疫を活性化させる作用、がん細胞への攻撃を助ける作用を利用する治療です。

免疫チェックポイント阻害薬は、自分自身の免疫ががん細胞を攻撃できるようにサポートする薬です。

放射線療法

放射線療法とは、身体の外から放射線を当てることによりがん細胞を死滅させる方法です。腎臓がんに対する治療法は、手術療法による切除が基本です。放射線治療はがんの進行を抑えたり、痛みを緩和したりする目的で行われることがあります。

腎臓がん(腎がん)が再発した場合の治療

治療で腎臓がんがなくなったことを確認したのに、残された腎臓や他の臓器に再び腎臓がんを認めた場合に再発したと判断します。

腎臓にとどまっている腎臓がんに対して腎摘除術を行った場合でも、20~30%の人において再発を認めることがあります。ただし、どのような人に再発しやすいかは現時点でもわかっていません。

腎臓がんが再発した場合の治療は、薬物療法が中心になります。再発したがんの状況によって、手術を検討する場合もあります。

腎臓がん(腎がん)の抗がん剤治療をやめたくなる理由

腎臓がんに対する薬物療法では、主に分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬を使用します。分子標的薬は、がん細胞が増えるために必要なタンパク質や血管などを標的にして攻撃する薬です。

腎臓がんに対して使用できる分子標的薬は、2008年より国内で使用できるようになり、チロシンキナーゼ阻害薬と、mTOR阻害薬に分類される6種類国内で使用できます(2023年時点)。チロシンキナーゼ阻害薬では、副作用として高血圧や全身倦怠感、下痢、手足に生じる痛みを伴う皮膚炎などが見られることがあります。また、mTOR阻害薬の副作用として、口内炎、発疹、高血糖などが起きる場合があります。両方の分子標的薬で起こりうる重大な副作用として、間質性肺炎が知られています。

分子標的薬を併用できる治療法

ANK免疫細胞療法とは、がんに対する攻撃力を高めたNK細胞を利用し、がん細胞を退治する治療法です。ANK免疫療法の対象となるがんは、固形がん、肉腫、白血病、悪性リンパ腫などです。つまり、腎臓がんのような固形がんにも治療法の1つとして検討できます。ANK免疫細胞療法では、自分自身のNK細胞を利用するため、副作用がほとんどないという特徴があります。

また、ANK免疫細胞療法は、腎臓がんに対する従来の治療法である手術療法や放射線療法、薬物療法などと併用することが可能です。たとば、がんの薬物療法で使用される分子標的薬とANK免疫細胞療法を併用すると、分子標的薬でがん細胞の増殖を抑えながら、NK細胞ががん細胞を攻撃することによる効果を期待できます。

抗がん剤をやめる前に…

どんながんも治る魔法の薬はありません。
ゆえに、保険治療の抗がん剤だけでは緩和や延命が目的になることもありますが、ほかの治療と併用することで好転することもあります。できる治療すべてを試す覚悟が大事だということも覚えておきましょう。

治療のひとつの選択肢として挙げられるのが、ANK免疫細胞療法。がん退治の本命細胞である「NK細胞」を活性化させてがん治療を行っていく免疫療法のひとつです。

以下の動画で、ANK免疫細胞療法のしくみを詳しく紹介していますのでぜひご覧ください。

如月 真紀

<この記事を書いたのは・・・>

如月 真紀(きさらぎ まき)

医師、医学博士、総合内科専門医。都内の大学病院勤務を経て、現在はアメリカで研究中。医療関連の記事の執筆や監修、医療系動画監修、医療系コンテンツ制作など幅広く手がけている。研究の傍ら、医学の知識や医師の経験を活かし、患者や患者家族のためになるコンテンツ作成を目指している。

このページの監修者

木村 眞樹子 医師

東京女子医科大学医学部卒業後、循環器内科、内科、睡眠科として臨床に従事している。
妊娠、出産を経て、また産業医としても働くなかで予防医学への関心が高まった。医療機関で患者の病気と向き合うだけでなく、医療に関わる前の人たちに情報を伝えることの重要性を感じ、webメディアで発信も行っている。

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