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乳がんと抗がん剤治療

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乳がんと抗がん剤

女性特有のがんでは代表的な乳がん。国内では増加傾向にあり、死亡数も増えつつあります。一方で、治療方法の進歩が目覚ましいのも乳がんです。ここでは乳がんの特徴や治療方法、特に抗がん剤治療について詳しく説明します。

※参照元:国立がん研究センター がん情報サービス https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/14_breast.html

目次

乳がんの特徴

しこりが代表的な症状

乳がんは乳腺組織に発生するがんで、その多くは乳管から広がり始めます。進行すると乳房の周囲のリンパ節や、骨や肺など離れた組織への転移がみられます。代表的な乳がんの症状は、乳房のしこりです。このほか、乳房にえくぼのようなへこみやただれができたり、乳房の形が左右非対称になったり、乳頭から分泌物が出たりします。

乳がんのステージ(病期)は、乳房の中でがんがどのくらい広がっているか、リンパ節への転移があるか、骨や肺など乳房から離れた組織への転移があるかなどによって決められます。

※参照元:国立がん研究センター がん情報サービス https://ganjoho.jp/public/cancer/breast/treatment.html

乳がんの主な症状

早期の乳がんでは、自覚症状がほとんどないといわれています。乳がんが進行すると、乳房のしこりや赤み、腫れ、へこみ、痛み、乳頭からの血液が混じったような分泌物などの症状が出ることがあります。わきの下のリンパ節に乳がんが転移すると、わきの下の腫れやしこり、しびれなどの症状が出ます。

乳がんの症状として知られているしこりは、必ず出るわけではなく、検査を受けて初めて乳がんが見つかることも多いです。また、乳房のしこりは他の病気でも出る可能性があります。乳がんに伴うような症状を見つけたら、すぐに医療機関を受診した方がよいですが、症状がなくても定期的に乳がん検診を受けることが大切です。

乳がんの検査方法

乳がんの検査方法には、視診、触診、マンモグラフィ、超音波検査などがあります。乳がんの可能性がある場合には、疑わしい部位の細胞や組織をとって顕微鏡で調べます。乳がんの広がりや他の場所への転移などを調べるためにCT検査やMRI検査、骨シンチグラフィ、PET検査を行うこともあります。

乳がんの検査方法として知られるマンモグラフィは、乳房専用のX線検査で、がんの位置や広がりを調べることができます。検査時には、2枚の板の間に乳房を挟んで圧迫し、薄く伸ばすようにして撮影します。

乳がんの治療方法

手術による切除が第一選択肢

乳がんは、明らかに遠隔転移を起こしている場合を除き、手術でがんを切除するのが治療の第一選択肢となります。主な手術方法として、乳房を温存できる乳房部分切除術と、乳房をすべて切り取る乳房全切除術があります。

また、がんを切除した後に、患者さん自身のお腹や背中などから採取した組織(自家組織)またはシリコンなどの人工物を使って、新たに乳房をつくる乳房再建術を行なうこともあります。この手術のタイミングでは、がんの切除と同時に行なう一次再建と、数カ月から数年経過してから行なう二次再建のいずれかが検討されます。

乳がんに対する放射線治療は、乳房部分切除術を行なった後、残った乳房組織に照射することが多くあります。乳房全切除術を行なった場合は、手術した範囲全体に加えて、鎖骨の上部にも照射されます。

放射線治療の副作用として考えられるのは、放射線を照射した部位の皮膚が日焼けのように赤みを帯び、かゆみやヒリヒリ感が出ることがあります。また、皮膚の表面が剥けたり、やけどの水ぶくれのようになったりすることもありますが、治療が終われば概ね2週間ほどで少しずつ回復していきます。

乳房部分切除術を受けた後に放射線治療を受けた場合、数カ月後に乳房が縮んで少し小さくなることがあります。また、放射線治療を受けると乳汁がつくられなくなりますが、反対側の乳房からは授乳が可能です。

また、がんの治療が妊娠・出産に影響する可能性もありますので、将来子どもを産むことを希望している場合には、妊孕性の温存が可能かどうかを担当医と相談してみてください。

乳がんの薬物療法について

乳がんに対する抗がん剤治療に用いられるのは、細胞傷害性抗がん剤やホルモン療法薬、分子標的薬などです。その目的は、再発のリスクを軽減すること(術前・術後薬物療法)、手術前にがんを小さくすること(術前薬物療法)、進行がんや再発がんに対する延命や症状緩和を目指すことなどがあり、がんのステージや全身状態に応じて実施されます。

乳がんには、ステージ(病期)分類に加えて、がん細胞の特徴による分類もあります。これを「サブタイプ分類」といい、薬物療法を行なう際に適した薬剤を選択するために重要な指標となります。この分類に加え、がんの悪性度や患者さんの全身状態、本人の希望などによって治療方法が決められます。

乳がんのサブタイプ

サブタイプ分類は、本来であれば遺伝子検査によって確定されるものです。実際には遺伝子検査よりも簡易な病理検査を行ない、がん細胞に含まれるたんぱく質を調べることで分類できます。その際に調べるたんぱく質は「ホルモン受容体」「HER2」「Ki67」の3種類です。

ホルモン受容体陽性であれば、女性ホルモンによって増殖する性質をもった乳がんということです。この場合、Ki67が低くがん細胞の増殖が遅いと考えられるのであれば、ホルモン療法薬が第一選択肢となります。Ki67が高くがん細胞の増殖が速いと考えられるのであれば、ホルモン療法薬に加えて細胞傷害性抗がん剤も使用します。

HER2陽性の乳がんに対する薬物療法は、分子標的薬を使用します。細胞傷害性抗がん剤と組み合わせて使用するのが一般的です。

エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体がともに陰性、さらにHER2も陰性の乳がんを「トリプルネガティブ」といいます。がん細胞の増殖に女性ホルモンもHER2も関係しないため、薬物療法には細胞傷害性抗がん剤が選択されます。

乳がんの抗がん剤治療をやめたくなる理由

細胞傷害性抗がん剤は、細胞が増殖するメカニズムの一部を阻害することで、結果としてがん細胞を攻撃する薬です。ただし、正常な細胞もダメージを受けてしまいます。これがさまざまな副作用として現れるのです。代表的な副作用として、吐き気や嘔吐、脱毛、骨髄への影響による血球の減少などが挙げられます。抗がん剤をやめたいと思われる要因のひとつとして、この副作用が影響していると考えられます。

一方、分子標的薬はがん細胞の増殖を促すたんぱく質や、がんに栄養を運ぶ血管を新生させるたんぱく質、がんを攻撃する免疫細胞にブレーキをかけるたんぱく質などをターゲットにする薬です。細胞傷害性抗がん剤とは異なり、基本的には正常な細胞にダメージを与えることがないため、副作用も少ないと考えられています。

分子標的薬を併用できる治療法

ANK免疫細胞療法との相乗効果

分子標的薬による治療と相性がいいのが、実はANK免疫細胞療法です。分子標的薬はがん細胞を直接攻撃するわけではなく、前述のとおりたんぱく質をターゲットにして間接的にがん細胞を攻撃する、いわば補助的な薬剤です。しかし、そのような分子標的薬を単独投与することでがん細胞が減少する患者さんもいます。そうした高い効果の背景にあるのは、NK細胞の活性度が関わっていると考えられます。

分子標的薬とANK免疫細胞療法を併用すると、分子標的薬ががん細胞の増殖を抑え、同時にNK細胞ががん細胞を攻撃するという相乗効果が期待できるのです。

抗がん剤をやめる前に…

どんながんも治る魔法の薬はありません。
ゆえに、保険治療の抗がん剤だけでは緩和や延命が目的になることもありますが、ほかの治療と併用することで好転することもあります。できる治療すべてを試す覚悟が大事だということも覚えておきましょう。

治療のひとつの選択肢として挙げられるのが、ANK免疫細胞療法。がん退治の本命細胞である「NK細胞」を活性化させてがん治療を行っていく免疫療法のひとつです。

以下の動画で、ANK免疫細胞療法のしくみを詳しく紹介していますのでぜひご覧ください。

乳がんの治療に用いられる抗がん剤の主な副作用と対処法

吐き気・嘔吐

乳がんで使用される抗がん剤によって、吐き気や嘔吐が引き起こされることは比較的多いです。特にアドリアマイシン、エピルビシン、シクロフォスファミドは吐き気が出るリスクが高いといわれています。

吐き気や嘔吐の症状は、抗がん剤を投与してから数時間で出ることもあれば、時間が経ってから起こる場合もあります。洋服による身体の締めつけや匂いの強い化粧品、芳香剤が吐き気や嘔吐の原因になる場合があるので、避けた方がよいでしょう。

吐き気や嘔吐といった副作用はすぐに落ち着く場合もあれば、1週間程度続くこともあります。食欲がないときは、消化の良いものを少量ずつ食べるとよいかもしれません。また、吐き気や嘔吐で水分がとれない場合には、早めに医療機関に相談しましょう。

脱毛

乳がんに対して抗がん剤を使用すると、髪の毛やまつげ、まゆげ、体毛などが抜ける脱毛が起こることがあります。脱毛は抗がん剤治療後2~3週間で起こることが多いですが、治療終了後数か月で再び毛が生え始め、約2年で元に戻るといわれています。

残念ながら、脱毛の予防法は確立されていません。事前に帽子や医療用のかつら、ヘアアクセサリーなどを用意しておくと、脱毛による喪失感を軽減できるかもしれません。

脱毛した所に痛みを感じる場合には、早めに医療機関に相談しましょう。

疲労感・倦怠感(だるさ)

乳がんだけでなく、抗がん剤の治療をしている患者さんのほとんどは疲れやだるさを感じるといわれています。症状には個人差がありますが、抗がん剤を開始してから身体がだるい、集中できない、何もやる気が起きない、すぐに疲れてしまうなどの症状が出ます。

抗がん剤治療中は無理をせず安静に過ごし、体調が許す時には、軽い運動や散歩、趣味の活動などを行ってリフレッシュするとよいでしょう。疲れやだるさのために、食事が十分にとれない時には早めに医療機関に相談しましょう。

骨髄抑制に伴う発熱などの感染症

抗がん剤によって、骨髄のはたらきが低下すると、血液細胞である白血球や赤血球、血小板が減少します。白血球には病原体から身体を守り、感染症を防ぐ役割があるため、抗がん剤の治療中は、身体の抵抗力が低下し、感染症にかかりやすくなります。

外出したら、手洗い、うがいを忘れずに行い、人が多い場所は避けた方がよいでしょう。感染症が悪化する可能性も高いため、37.5℃以上の発熱があったらすぐに医療機関に相談しましょう。

末梢神経障害(しびれ)

抗がん剤の治療開始後に、手や足のしびれ、刺すような痛み、感覚が鈍くなるなどの症状を自覚することがあります。

しびれに対する有効な予防法や対処法は確立されていませんが、温めたり、血行をよくするようにすると症状が改善するといわれています。靴下や手袋で手足を温めたり、指先の運動、入浴中のマッサージなどをしてみるとよいかもしれません。

強いしびれを感じたら、我慢せずに医療機関に相談しましょう。

心毒性

ドキソルビシンやエピルビシンのような抗がん剤を使用すると、心臓に対する副作用が起こることがあります。具体的には心臓がドキドキする、むくみが出る、息苦しくなる、胸が痛いなどの症状が出ます。

薬の使用量が増えるほど症状が出やすくなるといわれています。医療機関で、超音波検査や血液検査などで心臓の状態を診てもらうことが大切です。

心臓がドキドキしたり、息苦しさを感じたら、すぐに医療機関に相談しましょう。

このページの監修者

木村 眞樹子 医師

東京女子医科大学医学部卒業後、循環器内科、内科、睡眠科として臨床に従事している。
妊娠、出産を経て、また産業医としても働くなかで予防医学への関心が高まった。医療機関で患者の病気と向き合うだけでなく、医療に関わる前の人たちに情報を伝えることの重要性を感じ、webメディアで発信も行っている。

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