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リツキサン

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リツキサンは、B細胞性非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ性白血病などの血液のがんに対する治療薬として使われます。ここでは、リツキサンの作用や特徴、効果、副作用、注意点などについて説明します。ただし、他の治療薬と同じように、リツキサンの効果や副作用は個人によって異なることも理解しておいてください。

リツキサンの作用と特徴

リツキサンは、がんだけでなく、血管炎や腎炎、膠原病、臓器移植時の拒絶反応抑制など、さまざまな病気に対して使用される薬です。がんに対して使用される時には、主にB細胞性非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ性白血病などの血液のがんが対象となります。リツキサンは、がん細胞を標的として結びつくように設計されており、リツキサンと結合したがん細胞は身体の中で異物と認識されて破壊されます。

リツキサンの効果・効能 

リツキサンの効果を期待できる主な血液のがんは、以下のようなものです。

液のがん以外では、以下のような病気に効果を期待できます。

リツキサンの有効成分

リツキサンの有効成分であるリツキシマブが血液中のB細胞の表面に存在するCD20抗原に結合することで、がん細胞の増殖を抑えます。B細胞は、免疫に関わる細胞の1つですが、がんになると異常に増えて身体に悪影響を与えます。CD20抗原は、B細胞の表面に存在するタンパク質で、B細胞の活性化や増殖の調節に関わっています。

リツキサンの用法・用量

リツキサンの用法・用量は、がんの種類や対象となる病気によって異なります。 例えば、成人のB細胞性非ホジキンリンパ腫に対して使用する場合には、1回量375㎎/㎡(体表面積)を1週間間隔で点滴静注します。最大投与回数は8回となっています。 成人の慢性リンパ性白血病に対して使用する場合には、初回に1回量375㎎/㎡、2回目以降は1回量500㎎/㎡を併用する他の治療薬の投与サイクルに合わせて、1サイクルあたり1回点滴静注します。最大投与回数は6回となっています。 患者さんの状態を考慮し、投与量は適宜調整されます。

リツキサンの注意点

リツキサンの服用に関して、基本的な注意点がいくつかあります。

インフュージョンリアクション(輸注反応)

インフュージョンリアクションは、リツキサンのような分子標的薬の点滴時に見られる副作用のことです。インフュージョンリアクションの発症機序は明らかになっていませんが、がん細胞が薬の作用で急速に壊され、炎症やアレルギー反応を引き起こす物質が放出されるからではないかと考えられています。インフュージョンリアクションは、リツキサンの投与中または投与後24時間以内に多く起こり、症状は発熱、咳、痛み、めまい、呼吸困難、頭痛、発疹、かゆみ、寒気などです。

リツキサンを投与された患者さんの約90%にインフュージョンリアクションが起こったという報告があり、症状は軽微から中等度でした。また、インフュージョンリアクションは、リツキサンの初回投与時に起こりやすいといわれています。もし、リツキサンで治療中に異常が起こった場合には、すぐに投与を中止し、酸素吸入や解熱鎮痛剤、副腎皮質ホルモン剤、抗ヒスタミン剤などの投与を行い、症状が改善するまで注意深く経過を見る必要があります。

腫瘍崩壊症候群(しゅようほうかいしょうこうぐん)

リツキサンをがんに対して使用している時に、がんが急速に死滅し、腫瘍崩壊症候群が起こることがあります。血液中のカリウムやカルシウム、リン、尿酸の量が増えて、急性腎障害やけいれん、不整脈などの異常が起こります。異常を認めた場合には、リツキサンの投与を中止し、適切な処置を行います。

効能または効果に関連する注意

リツキサンを血液のがんに対して使用する場合には、CD20抗原の検査を行い、陽性が確認された患者さんにのみ投与する必要があります。

用法及び用量に関連する注意

リツキサンを投与中に、よく起こるインフュージョンリアクションを軽減するために、リツキサンを投与する30分前に抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤、副腎皮質ホルモン剤などの投与を行います。リツキサンの投与中に異常を認めた場合には、すぐに投与を中止する必要があります。

リツキサンの副作用

リツキサンの治療中に副作用が出ることがあるので、体調に変化があった時にはすぐに担当医に相談するようにしましょう。副作用によっては、服用を中止する必要があります。 リツキサンの服用中に見られる可能性のある副作用には、以下のようなものが挙げられます。

今回挙げた症状以外でも、リツキサンによる副作用の場合もあるので心配なことがあれば担当医に聞いてみるようにしてください。

リツキサンの重大な副作用

リツキサンの服用中に、重大な副作用が起こることがあります。適切に対処しないと命に関わる場合もあるので注意が必要です。リツキサンを服用中に、体調に変化があった時にはすぐに担当医に相談するようにしてください。

劇症肝炎・肝炎の悪化

リツキサンの投与後に、B型肝炎ウイルスが再活性化し、劇症肝炎または肝炎の悪化による肝不全が起こることがあります。肝不全は、命に関わる病気です。異常を認めた場合には、すぐに抗ウイルス剤の投与などの適切な処置を行う必要があります。

感染症

リツキサンの投与中に、肺炎や敗血症などの命に関わるような感染症が起こることがあります。感染症の原因は、細菌、真菌、ウイルスなどです。治療期間中に感染症を疑うような発熱や咳、血圧低下などの症状が出ていないか、注意する必要があります。

心障害

リツキサンの治療中に、不整脈や狭心症、心筋梗塞などが起こったという報告があります。治療中に、胸痛や呼吸困難、動悸などの心障害を疑う症状が起きた場合には、適宜心エコーや心電図などの心機能検査を行います。心障害を認めた場合には、リツキサンの休薬、中止を検討します。

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