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余命とは、命の残りの期間のことです。がんと診断された時に医師から告げられる余命は、患者さんがあとどれくらいの期間を生きられるかを意味します。がんの余命は、今までの統計データや医師の経験などから決まるので、あくまで目安です。今回は、がんの余命の判断基準や余命を伝える理由などについてわかりやすく説明します。
医師が余命を決める時に参考にしているのは、今まで蓄積された統計データです。同じ種類で、同じステージのがんの方の5年生存率や生存期間などをもとに判断しています。ステージとは、がんがどれくらい進行しているかを把握するための指標で、がんが全身に広がっているほどステージが高くなります。5年生存率は、5年後に生存している患者さんの割合のことで、がんが進行しているほど5年生存率は低くなる傾向があります。
また、多くのがん患者さんを診ている医師の場合には、統計データだけでなく、今までの診療経験もふまえて余命を推測することもあります。具体的には、「このようなタイプのがんで、がんの進行度と患者さんの全身状態を考えると、今後はこのような過程になるので余命は7か月くらいだろう」と予測します。
医師に余命を伝えられると、告げられた余命の期間しか生きられないのではと考えてしまうかもしれません。しかし、余命は今までのデータを参考にした推測値でしかないので、患者さんの体力や年齢、持病、がんの進行する速度などによって余命は変わります。余命宣告をしている医師も、正確な余命を計測することはできないと理解しています。例えば、余命が1年と伝えられていた患者さんが2年、3年と予想以上に長い期間生きられることがあります。一方で、余命が半年と伝えられていたのに、数か月で亡くなってしまう場合もあります。
余命宣告をするかしないかは、医師の判断によります。ただ、医師が余命宣告をしたからといって、治療を投げ出しているわけでも、患者さんや家族を落ち込ませたいわけでも、もちろんありません。医師が余命を告げる時には、残された時間をどのように使うかを考えるために伝えることが多いです。余命宣告を受けた直後は、悲しみや不安な気持ちでつらくなる場合も多いと思いますが、大体の残された時間がわかれば、自分がどのように生きたいか、家族とどのように過ごしたいかを考えることができます。がんによる心や身体のつらさを和らげるための方法を一緒に考えてくれる緩和ケアを提供している医療機関も多いので、担当医や看護師に相談してみるとよいかもしれません。
余命宣告を受け、効果を期待できる手術や薬物療法がないことを伝えられる場合もあります。しかし、何も治療法がないと悲しむ必要はありません。手術や薬物療法以外でも、毎日の食事や睡眠、運動などの生活習慣を改善法がないことを伝えられる場合もあります。しかし、何も治療法がないと悲しむ必要はありません。手術や薬物療法以外でも、毎日の食事や睡眠、運動などの生活習慣を改善すると、余命が長くなる可能性もあります。バランスのよい食事や十分な睡眠、適度な運動は、ストレスを減らし、体力、免疫力の向上につながるからです。
また、がんの治療を行っている医療機関では患者さんや家族に緩和ケアを行っている所も多いです。緩和ケアでは、がんによる心や身体の苦痛や不安を取り除くために、医師や看護師、薬剤師、栄養士などが必要に応じて適切な対策を考えます。具体的には、がんによる痛みを和らげるための治療薬を検討してもらえたり、がんや今後に対する不安について時間をかけて話を聞いてもらうことができます。
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