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オプジーボ

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オプジーボは、悪性黒色腫、非小細胞肺がん、腎細胞がん、頭頚部がん、胃がん、直腸がん、食道がんなどに対する治療薬として使用されます。ここでは、オプジーボの作用や特徴、効果、副作用、注意点などについて説明します。ただし、オプジーボの効果や副作用は個人によって異なることを理解しておいてください。

オプジーボとは?特徴や効果について

オプジーボは、免疫チェックポイント阻害薬の1つで、ヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体製剤と呼ばれています。悪性黒色腫、非小細胞肺がん、腎細胞がん、頭頚部がん、胃がん、直腸がん、食道がんなどに対して使用される薬です。

がん細胞を直接攻撃するのではなく、患者さんの体内に備わっている免疫の力を利用して、がん細胞への攻撃力を高めることで作用を発揮します。具体的には、オプジーボが「PD-1」と呼ばれる免疫細胞のアンテナに結びつくことで、免疫のブレーキが解除され、がん細胞を攻撃できるようになります。

吐き気や嘔吐、脱毛など、一般的な抗がん剤で見られる副作用は少ないと考えられています。しかし、オプジーボが免疫に関与する薬剤であるため、自己免疫に関連した副作用が現れる場合があるので注意が必要です。

オプジーボの適応となるがん

オプジーボの適応となるがんには、悪性黒色腫、非小細胞肺がん、腎細胞がん、古典的ホジキンリンパ腫、頭頚部がん、胃がん、悪性胸膜中皮腫、悪性中皮腫、高頻度マイクロサテライト不安定を有する結腸・直腸がん、食道がん、原発不明がん、尿路上皮がんおよび上皮系皮膚悪性腫瘍などがあります。

適応となるがんは、臨床研究の結果などを考慮して適宜変更されることがあるため、担当医に確認するようにしてください。

オプジーボの投薬スケジュール

オプジーボの投薬スケジュールは、がんの種類や併用する薬剤によって異なります。一般的に、オプジーボは30分以上かけて点滴で投与します。

オプジーボの治療スケジュールは主に2つあり、2週間に1回投与する方法4週間に1回投与する方法があります。2週間に1回の投与方法では、1回あたりの投与量が比較的少なく、4週間に1回の投与方法では、1回あたりの投与量が多くなります。オプジーボの投薬スケジュールは、担当医と相談するようにしましょう。

オプジーボの副作用

オプジーボは、吐き気や嘔吐、脱毛など、一般的な抗がん剤に見られる副作用は少ないと考えられています。しかし、オプジーボが免疫に関与する薬剤であるため、自己免疫に関連した副作用が現れることがあります。つまり、オプジーボは免疫システムを活性化させてがん細胞を攻撃しやすくする薬剤であるため、過剰に免疫が活性化すると、身体の正常な組織や器官に影響を与える副作用が生じる可能性があるということです。

オプジーボの副作用は、投与中だけでなく、投与後にも起こる可能性があるため、体調の変化や気になる症状がある場合にはすぐに担当医に相談しましょう。

とくに注意が必要な副作用

間質性肺疾患

間質性肺疾患は、肺に炎症が起こり、空気を取り込む機能が低下する病気です。炎症が進行すると、肺が硬くなり、十分な空気を取り込めなくなるため、命に関わる可能性があります。間質性肺炎の症状には、息切れ、呼吸困難、発熱、咳、倦怠感などがあります。

60歳以上、抗がん剤治療を受けている、腎障害がある、過去に肺疾患にかかったことがあるなどの条件がある場合、間質性肺疾患を発症するリスクが高まるとされています。間質性肺疾患のリスクが高い患者さんはとくに注意が必要です。

消化管障害(腸炎や重度の下痢など)

大腸や小腸の炎症、重度の下痢などの消化管障害が発生することがあります。消化管障害の症状には、発熱、腹痛、嘔吐、下痢、排便回数の増加、血便などがあります。腸の炎症が重症化すると、腸の一部が閉塞したり、腸に穴が開いたりして命に関わる可能性があります。

1型糖尿病

1型糖尿病は、自己免疫と関連のある糖尿病です。1型糖尿病を発症すると、倦怠感、悪心、異常な喉の渇き、過剰な水分摂取、尿量の増加などの症状が現れます。病状が急速に進行し、意識障害を引き起こす可能性もあるため、注意が必要です。

血液障害

赤血球や白血球、血小板などの血液成分が減少し、さまざまな症状が現れることがあります。赤血球減少による貧血、白血球減少による重い感染症、血小板減少による出血などが生じる場合があるため、注意が必要です。血液障害の症状としては、発熱、悪寒、倦怠感、鼻血、歯ぐきの出血、息切れ、皮下出血などがあります。

肝機能障害

何らかの原因で肝機能が低下することを肝機能障害といいます。オプジーボの治療開始後に、劇症肝炎や肝不全、肝炎、硬化性胆管炎などの肝疾患が発生することがあります。肝機能障害の症状としては、発熱、腹痛、吐き気、嘔吐、倦怠感、意識障害、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)などがあります。

甲状腺機能障害

甲状腺に炎症が起こり、甲状腺中毒症や甲状腺機能低下症などの甲状腺機能障害が発生することがあります。甲状腺機能障害の症状には、倦怠感、体重の変化、便秘、脱毛、寒気、性欲減退、物忘れなどがあります。

皮膚障害

皮膚や粘膜に症状が現れる皮膚障害が発生することがあります。皮膚障害の症状には、発熱、倦怠感、口内炎、まぶたや眼の充血、粘膜のただれ、赤い斑点、水ぶくれなどがあります。

筋障害(重症筋無力症、心筋炎、筋炎、横紋筋融解症など)

重症筋無力症や心筋炎、筋炎、横紋筋融解症などの筋障害が発生することがあります。筋障害の症状には、筋肉の炎症や融解による筋肉痛、脱力感などが現れます。また、まぶたが重い、赤褐色の尿が出る、ものが二重に見える、胸痛、動悸などの症状が出ることもあります。

神経障害

神経に炎症が起こり、感覚や運動に関わる神経の機能に異常が生じることを神経障害といいます。神経障害の症状には、手足のしびれや痛み、感覚の麻痺などがあります。

腎障害

オプジーボの副作用として、腎障害が発生することがあります。腎障害の症状には、発熱、むくみ、血尿、尿量の減少、倦怠感、食欲不振などがあります。

副腎障害

副腎の機能が低下する副腎障害が発生することがあります。副腎障害では、血糖値の低下が生じ、倦怠感や意識障害、吐き気、嘔吐、食欲不振などの症状が現れます。

胃炎

胃の粘膜に炎症が起こる胃炎が発生することがあります。炎症が重症化すると、胃の粘膜から出血が起こり、吐血や黒い便などの症状が現れます。胃炎に関連する症状には、食欲不振、吐き気、嘔吐、胃の不快感や痛みなどがあります。

如月 真紀

<この記事を書いたのは・・・>

如月 真紀(きさらぎ まき)

医師、医学博士、総合内科専門医。都内の大学病院勤務を経て、現在はアメリカで研究中。医療関連の記事の執筆や監修、医療系動画監修、医療系コンテンツ制作など幅広く手がけている。研究の傍ら、医学の知識や医師の経験を活かし、患者や患者家族のためになるコンテンツ作成を目指している。

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