がんとANK免疫細胞療法の教科書~ANKブック~ | sponsored by リンパ球バンク株式会社
がんとANK免疫細胞療法の教科書~ANKブック~ | sponsored by リンパ球バンク株式会社 » がんの治療に用いられる薬一覧 » アバスチン

アバスチン

このサイトは「リンパ球バンク株式会社」をスポンサーとして、Zenken株式会社が運営しています。

アバスチンは、治療切除不能な進行・再発の結腸がんや直腸がん、手術不能または再発乳がん、肺がん、卵巣がん、進行または再発の子宮頸がん、切除不能な肝細胞がんなどに対する治療薬として使われます。ここでは、アバスチンの作用や特徴、効果、副作用、注意点などについて説明します。ただし、他の治療薬と同じように、アバスチンの効果や副作用は個人によって異なることも理解しておいてください。

アバスチンとは

アバスチンは、「血管新生阻害剤」と呼ばれる種類の薬です。このタイプの薬は、がん組織に対して栄養・酸素を補給するパイプ(血管)が造られないようにすることで、がん組織の成長を妨げます。

がんの治療に使う薬というと、抗がん剤のイメージを持つ人も多いでしょう。抗がん剤の場合は、投与を行うと血液中に入って全身を巡り、がんの組織を直接攻撃するメカニズムとなっています。しかし、がん組織以外の正常な組織にも作用が起きることで副作用が起こる可能性もあります。

それに対して、アバスチンの場合はがん組織に栄養や酸素が行き渡らないようにして追い詰めるのが特徴です。また、今あるがん細胞が作った異常な血管を減らす作用も持っています。ただし、体に備わっている正常な血管の仕組みに影響が出るケースもあるため、抗がん剤を使用した治療を行う場合と同様に、副作用に注意することが大切です。

医薬品情報

アバスチンを使った治療方法

アバスチンは単独で使用するのではなく、他の治療法と組み合わせて治療を進めていきます。例えば下記のような治療方法があります。このような治療方法を用いることにより、病状の悪化を防いだり、生存期間を延長させると考えられています。

また、アバスチンの投与を行う際には静脈より点滴注射を行いますが、投与する薬の量は体重から算出します。

アバスチンの作用と特徴

アバスチンは、治療切除不能な進行・再発の結腸がんや直腸がん、手術不能または再発乳がん、肺がん、卵巣がん、進行または再発の子宮頸がん、切除不能な肝細胞がんなどに使用される薬です。がん細胞の増殖に必要な血管を作るための血管内皮増殖因子(VEGF)を阻害し、がん細胞を死滅させます。

アバスチンの効果・効能

アバスチンは、以下のがんに対して効果を期待できます。

アバスチンの有効成分

有効成分であるベバシズマブが、血管を作る因子である血管内皮増殖因子(VEGF)を阻害し、がん細胞を死滅させます。VEGFは、がん細胞から分泌されるタンパク質で、がん細胞の増殖に必要な酸素や栄養を運ぶための血管を作ることに関わっています。

アバスチンの用法・用量

アバスチンの用法・用量は、がんの種類によって異なります。 例えば、治療切除不能な進行・再発の結腸・直腸がんに対しては、成人の場合、他のがんに対する治療薬との併用において、1回、5mg/kg(体重)または10mg/kg(体重)を点滴静注します。投与間隔は2週間以上となっています。また、手術不能または再発乳がんに対しては、成人の場合、パクリタキセルとの併用において、1回10mg/kg(体重)を点滴静注します。投与間隔は2週間以上となっています。 患者さんの状態を考慮し、投与量は適宜調整されます。

アバスチンの注意点

アバスチンの治療中に注意すべき点がいくつかあります。

アバスチンの治療を受けられない方

これまでにアバスチンの治療を受けた際に強いアレルギー症状が出たことがある方は、アバスチンの治療を受けられません。アレルギー症状の例としては、気管支けいれんや全身性の皮膚症状、低血圧などが挙げられます。加えて、ティースプーン半量以上ほどの喀血を起こした経験がある方も、同様にアバスチンによる治療を受けることができません。

また、これまでに薬や注射で強いアレルギー症状を起こした経験がある、胃潰瘍がある、大きな手術を受けて間もない(1ヶ月以内)、脳に転移があると診断されている、血が止まりにくい、血を固まりにくくするための薬を飲んでいる、動脈や静脈に血の塊ができる病気にかかった経験がある方のほか、糖尿病の方、高血圧症の方、心臓の病気がある方、妊婦や妊娠の可能性がある方、高齢の方などは、副作用が出やすかったりする可能性もあるため、心当たりがある・気になることがある方は必ず事前に相談が必要です。

加えて、他の病院で出された薬や市販薬、健康食品などを服用する場合には、必ず担当医や看護師、薬剤師への相談を行いましょう。

創傷治癒遅延(そうしょうちゆちえん)

創傷治癒遅延とは、傷の治りが悪くなることです。アバスチンを投与した後に手術を行う場合には、傷の治りが悪くなる可能性があるので、手術まで十分な期間をおく必要があります。

高血圧

アバスチンの治療中に、血圧が高くなることがあるので、投与期間中は定期的に血圧を測定します。

蛋白尿

アバスチンの治療中に、尿蛋白を認めることがあるので、投与期間中は定期的に尿検査をします。

効能または効果に関連する注意

治療切除不能な進行・再発の結腸・直腸がんや切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんに対する術後補助化学療法において、アバスチンの安全性や有効性は確立されていません。術後補助化学療法とは、手術の後に身体の中に残っているがん細胞に対して薬を使用し死滅させることで、再発を抑える治療法です。

用法及び用量に関連する注意

初回投与時は90分かけて点滴静注をする必要があります。初回投与で問題がないと判断されれば、2回目以降の投与は60分間で行ってもよいことになっています。2回目の投与でも問題がなければ、それ以降の投与は30分間で投与できます。

点滴注射を受けるときの注意点

アバスチンの点滴注射を受ける場合には、血管の外に薬が漏れないように、点滴注射中には安静にしている必要があります。もし点滴を受けている最中に注射している部位が腫れたり、焼けるような熱さや痛みを感じたりした場合には、医師や看護師、薬剤師に連絡をしてください。

また、点滴注射を行っている間に過敏症状があらわれるケースがありますので、例えばじんましんが見られたり、息苦しさや唇、喉の腫れを感じたりした場合にも、我慢することなく近くにいる医師や看護師、薬剤師に連絡をしてください。

治療後の注意事項

アバスチンの投与終了後、手術を行うまで十分に時間を空ける必要がありますので、もし治療後に手術を行う場合には医師との相談が必要です。

また、もし歯肉炎や歯槽膿漏がある場合には、アバスチンでの治療を始める前に歯科を受診しておくことがおすすめです。中には市販の洗口液を使用した口内洗浄を行えば良いケースもありますので、その場合も主治医に相談しましょう。

アバスチンの副作用

アバスチンの治療中に副作用が出ることがあるので、体調に変化があった時にはすぐに担当医に相談するようにしましょう。副作用によっては、投与を中止する必要があります。

アバスチンの投与中に見られる可能性のある副作用には、以下のようなものが挙げられます。

今回挙げた症状以外でも、アバスチンによる副作用の場合もあるので心配なことがあれば担当医に聞いてみるようにしてください。

アバスチンの重大な副作用

アバスチンの治療中に、重大な副作用が起こることがあります。適切に対処しないと命に関わる場合もあるので注意が必要です。アバスチンの治療中に、体調に変化があった時にはすぐに担当医に相談するようにしてください。

ショック・アナフィラキシー

アバスチンに対して、過敏症状が出る場合があります。蕁麻疹や呼吸困難などの症状を認めた場合には、すぐにアバスチンの投与を中止し、副腎皮質ステロイドや抗ヒスタミン薬などの処置をする必要があります。

消化管穿孔

消化管穿孔とは、胃や食道、小腸、大腸などに穴が開くことです。消化管に穴が開くと、消化管の中にあるものが漏れ出し、重度の炎症や感染症の原因になります。胸部や腹部の強い痛みなどの症状が出て、命に関わる場合もあるので注意が必要です。

出血

アバスチンの治療中に、胃や腸などの消化管からの出血、肺出血、脳出血、鼻出血などの症状が出ることがあります。重度の出血が起こると、命に関わる場合があります。出血の症状を認めた場合には、アバスチンの投与を中止し、適切な処置を行います。

感染症

アバスチンの治療中に、肺炎や敗血症、壊死性筋膜炎(えしせいきんまくえん)などの重度の感染症が起こり、命に関わる場合があります。

ANK免疫細胞療法が受けられる
クリニックはこちら

ANK免疫細胞療法を検討中の
医療従事者の方はこちら

ANK免疫細胞療法が
受けられる
クリニックはこちら

ANK免疫細胞療法を
検討中の
医療従事者の方はこちら