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喉頭がんは、60歳以上に発症しやすく、男性に多いがんです。喉頭がんは、がんのできる場所によって、声門がん、声門上がん、声門下がんの3つに分けられます。3つの中で最も多いのは声門がんで、半数以上を占めます。こちらのページでは、喉頭がんの特徴や治療などに関する情報をまとめていますので、がんの治療にどのようなものがあるのか知りたい方や抗がん剤の治療がつらくてやめたいと考えている方も、ぜひご覧ください。
喉頭とは、いわゆる「のどぼとけ」のことで、大きな役割が2つあります。喉頭の1つ目の役割は、食べたものや飲んだものが肺に入らないように調節することです。2つ目の役割は、発声です。声を出す時には、喉頭の中にある声帯が必要なので、喉頭がんで手術をすると声が出なくなる可能性があります。声帯のある部分は声門(せいもん)とよばれ、声門より上は声門上、声門より下は声門下と分類されています。喉頭がんも、発声部位によって3つに分類され、声門がん、声門上がん、声門下がんとよばれます。3つの中で最も多いのは声門がんで、全体の半数以上を占めることがわかっています。
同じ喉頭がんでも発生した場所によって、症状や進行度、転移率、治療法、予後などが異なります。 喉頭がんは、60歳以上に発症しやすく、圧倒的に男性に多いがんとして知られています。喉頭がんの発症リスクを高める要因は、タバコとお酒です。タバコとお酒が長期間、喉頭を刺激することでがんを発症しやすくなると考えられています。
喉頭がんの症状は、がんの発生する部位によって異なります。最も多い声門がんでは、ほとんどの人に声がれという症状が出ます。声がれは、医学的には嗄声(させい)とよばれます。声門がんが進行すると、血の混じった痰や呼吸困難などの症状が出ます。声門上がんでは、喉の違和感や痛みが出ます。声門がんや声門下がんに比べて、声門上がんでは早期から首のリンパ節の腫れで気づかれることがあります。声門上がんが進行すると、声門へとがんが広がるので、嗄声や呼吸困難の症状も起こります。声門下がんでは、進行するまで症状が出ないことも多いです。声門下がんも進行するにつれて、他の部位と同様に嗄声や呼吸困難という症状が出ます。
喉頭がんが疑われる時には、耳鼻咽喉科や頭頸科などを受診します。鼻から喉頭鏡とよばれる細い管を入れて、喉頭を観察し、がんの状態や範囲を確認します。喉頭がんが疑わしい時には、組織の一部を取って顕微鏡で観察し、がん細胞の有無を調べます。医師が首を触り、リンパ節の転移の有無も調べます。また、がんの大きさや進行度、転移の有無などの詳細を調べるために、超音波検査、CT検査、MRI検査などを行います。
がんの進行度やリンパ節転移の有無、遠隔転移の有無などを評価することによって、喉頭がんの病期が決まります。がんの進行度は1~4の4段階、頸部リンパ節転移は0~3の4段階、遠隔転移は0または1の2段階に分類されます。最終的に、それぞれの分類を統合し病期が決まります。病期は4段階に分けられ、表記の仕方はⅠ期、Ⅱ期、Ⅲ期、Ⅳ期となります。Ⅰ期、Ⅱ期は早期の喉頭がんで、Ⅲ期、Ⅳ期は進行がんと考えることが多いです。
病期によって治療法が異なり、Ⅰ期やⅡ期の喉頭がんに対しては、喉頭温存手術や放射線療法を行います。進行したⅢ期、Ⅳ期の喉頭がんに対しては、喉頭全摘手術や化学放射線療法を行います。
喉頭温存手術は、早期がんに適応がある手術で、発声に関わる声帯の一部を残し、がんを切除します。名前の通り、喉頭を温存するので声の質が多少悪くなりますが、声を出すことができます。喉頭温存手術ができないと判断された早期がんや進行がんに対しては、喉頭全摘術が行われます。喉頭全摘術では、声帯を全て取り除くので声を出せなくなります。喉頭全摘術後には、食道発声や電気喉頭などの代替音声で声を出すことを検討します。
早期の喉頭がんに対しては、放射線を中心に治療を進めていくことも多いです。ただし、大きいがんや発声部位によって、放射線の効果をあまり期待できない場合があります。進行がんに対しても、喉頭を温存するために放射線療法を検討する時があります。
抗がん剤は、喉頭の温存や再発予防、治療効果の向上などを目的として、放射線療法や手術と組み合わせて使用されます。 喉頭がんに対する治療法は、患者さんの年齢、全身状態、職業、がんの進行度、がんの発生している部位などを総合的に考慮し、選択されます。また、声を残せるかどうかを慎重に判断し、最終的な治療法を決定します。
喉頭がんに対する治療法には、手術、放射線療法、薬物療法があり、単独または組み合わせて行います。喉頭がんで、遠隔転移がないものの進行している場合には、抗がん剤を含めた治療を検討します。喉頭がんに対して抗がん剤を使用する目的としては、治癒、再発予防、遠隔転移の危険性の低下、治療効果の向上などが挙げられます。
喉頭がんに対して用いられる主な抗がん剤は、シスプラチン、フルオロウラシル、ドセタキセル、セツキシマブなどです。抗がん剤を使用するとほとんどの人が副作用を経験し、治療をやめたくなることも少なくありません。喉頭がんに対して使用する抗がん剤においても同様で、悪心、嘔吐、倦怠感、食欲不振、胃腸の不快感、下痢、口内炎、腎機能障害、白血球減少、貧血、血栓症などの副作用が起きることがあります。ただし、抗がん剤をやめてしまうと、がんが進行や再発、転移してしまう危険性があるので、主治医とよく相談する必要があります。
ANK免疫細胞療法は、がんに対する免疫療法のことで活性化自己リンパ球移入法などと呼ばれる場合もあります。ANKとはAmplified Natural Killerの略で、増殖活性化させたNK細胞を意味します。NK細胞を活性化させると、がんに対する攻撃力が高くなり、がん細胞を退治できると考えられています。ANK免疫細胞療法の治療対象となるがんは、臓器の固形がん、肉腫、白血病、悪性リンパ腫などです。つまり、ほとんどのがんに対する治療法の1つとしてANK免疫細胞療法を検討できます。
ANK免疫細胞療法は、がんの治療薬である分子標的薬と併用することができます。分子標的薬とANK免疫細胞療法を併用すると、分子標的薬でがん細胞の増殖を抑えながら、NK細胞ががん細胞を攻撃するといったことが期待でき、治療効率の向上を目指せます。
どんながんも治る魔法の薬はありません。
ゆえに、保険治療の抗がん剤だけでは緩和や延命が目的になることもありますが、ほかの治療と併用することで好転することもあります。できる治療すべてを試す覚悟が大事だということも覚えておきましょう。
治療のひとつの選択肢として挙げられるのが、ANK免疫細胞療法。がん退治の本命細胞である「NK細胞」を活性化させてがん治療を行っていく免疫療法のひとつです。
以下の動画で、ANK免疫細胞療法のしくみを詳しく紹介していますのでぜひご覧ください。
<この記事を書いたのは・・・>
如月 真紀(きさらぎ まき)
医師、医学博士、総合内科専門医。都内の大学病院勤務を経て、現在はアメリカで研究中。医療関連の記事の執筆や監修、医療系動画監修、医療系コンテンツ制作など幅広く手がけている。研究の傍ら、医学の知識や医師の経験を活かし、患者や患者家族のためになるコンテンツ作成を目指している。