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ハーセプチン

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ハーセプチンは、乳がんや胃がん、唾液腺がん、大腸がんに使用される治療薬です。ここでは、ハーセプチンの作用や特徴、効果、副作用、注意点などについて説明します。ただし、他の治療薬と同じように、ハーセプチンの効果や副作用は個人によって異なることも理解しておいてください。

ハーセプチンの作用と特徴

ハーセプチンは、HER2陽性である乳がんや胃がん、唾液腺がん、大腸がんに対して使用される薬です。がんの種類によりますが、HER2が陽性ということだけでなく、進行していて手術が難しい場合、または再発した場合にハーセプチンが使用できます。

ハーセプチンは、がん細胞の増殖にHER2に作用し、がん細胞が増えることを阻止します。

ハーセプチンの効果・効能 

ハーセプチンは、HER2陽性の乳がん、HER2陽性の治療切除不能な進行・再発の胃がん、HER2陽性の治療切除不能な進行・再発の唾液腺がん、大腸がんに対する効果を期待できます。

ハーセプチンの有効成分

ハーセプチンの有効成分は、トラスツズマブです。有効成分であるトラスツズマブが、がん細胞の増殖に関わるHER2という物質に結合し、がん細胞が増えないように作用します。

ハーセプチンの用法・用量

ハーセプチンは、治療するがんの種類によって用法・用量が異なります。例えば、HER2陽性の乳がんに対しては、1日1回、初回投与時には4mg/kg (体重)を、2回目以降は2mg/kg (体重)を90分以上かけて1週間間隔で点滴静注します。患者さんの状態を考慮し、投与量は適宜調整されます。

ハーセプチンの注意点

ハーセプチンを治療薬として使用する場合には、基本的な注意点がいくつかあります。

ハーセプチンの治療中に心障害が起こる場合があるので、治療前に心機能を確認する必要があります。治療中に、呼吸困難、咳、不整脈などの心障害を疑う症状が起きた場合には、適宜心エコーなどの心機能検査を行います。心障害を認めた場合には、ハーセプチンの休薬、中止を検討します。

インフュージョンリアクションは、ハーセプチンのような分子標的薬の点滴時に見られる副作用のことです。なぜ起こるのかは明らかになっていないですが、がん細胞が薬の作用で急速に壊され、炎症やアレルギー反応を引き起こす物質が放出されるからではないかといわれています。インフュージョンリアクションの症状は、発熱、頭痛、発疹、かゆみ、寒気などです。インフュージョンリアクションは投与開始後24時間以内に多く見られる副作用で、重度の場合には命に関わることがあります。

効能または効果に関連する注意

ハーセプチンは、HER2に作用してがん細胞の増殖を阻止する薬なので、治療前にHER2陽性であることを検査によって確認する必要があります。

術後補助化学療法においては、ハーセプチンの有効性は確立されていません。術後補助化学療法とは、手術の後に身体の中に残っているがん細胞に対して薬を使用し死滅させることで、再発を抑える治療法です。

用法及び用量に関連する注意

HER2陽性の乳がんに対して、1年以上投与した場合の安全性および有効性は確立されていません。

ハーセプチンの副作用

ハーセプチンを使用中に副作用が出ることがあるので、体調に変化があった時にはすぐに担当医に相談するようにしましょう。副作用によっては、使用を中止する必要があります。

ハーセプチンの使用中に見られる可能性のある副作用には、以下のようなものが挙げられます。

今回挙げた症状以外でも、ハーセプチンによる副作用の場合もあるので心配なことがあれば担当医に聞いてみるようにしてください。

ハーセプチンの重大な副作用

ハーセプチンの使用中に、重大な副作用が起こることがあります。適切に対処しないと命に関わる場合もあるので注意が必要です。ハーセプチンを使用中に、体調に変化があった時にはすぐに担当医に相談するようにしてください。

ハーセプチンで治療中に、間質性肺炎が起こる場合があります。間質性肺炎の症状は、発熱、咳、呼吸困難などで、命に関わることもあるので注意が必要です。ハーセプチンを使用中に間質性肺炎の発症を認めた場合には、すぐに使用を中止し、ステロイドの投与などを行います。

腫瘍崩壊症候群は、がんの治療中に、がんが急速に死滅するときに生じることがあります。がんの急速な死滅により、血液中のカリウムやカルシウム、リン、尿酸の量が増えて、急性腎障害やけいれん、不整脈などの異常が起こります。治療開始後12~72時間以内に起こることが多く、命に関わる可能性もあるので注意が必要です。異常を認めた場合には、ハーセプチンの投与を中止し、適切な処置を行います。

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