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胸腺の悪性腫瘍と診断される人は、1年間に約1300人と少ないことが特徴に挙げられます。胸腺腫の場合、腫瘍の増殖するスピードが比較的ゆっくりであるのに対して、胸腺がんはがん細胞が増殖するスピードが速く、他の部位に転移することがあると言われています。
ここでは、胸腺がんにはどのような特徴があるのかまとめるとともに、抗がん剤など治療内容について詳しく解説します。胸腺がんの情報を集めている方や抗がん剤をやめてしまおうかと迷っている方も、当記事をぜひ参考にしてください。
※参照元:国立がん研究センター がん情報サービス https://ganjoho.jp/public/cancer/thymoma/index.html
目次
胸腺は、胸部中央の前あたりに位置する臓器です。胸腺は、骨髄で生成された未熟なTリンパ球が正常に働けるように役割を担っています。
胸腺の機能に関しては幼児期まで活発なことも特徴に挙げられます。大きさは成長とともに変化し、誕生時は10~15グラムほどになり、思春期には30~40グラムと大きさを増しますが、その後少しずつ小さくなっていくのです。
そして年齢とともに萎縮していき脂肪組織に置き換わるため、周囲にある脂肪分と見分けがつきにくくなります。
そのような性質があることから、胸腺腫や胸腺がんがあって切除したとしても、健康に影響を及ぼすことはないと言われているのです。
胸腺の上皮細胞と呼ばれる部位から発生する胸腺腫と胸腺がんは少し性質が異なりますが、どちらも悪性の腫瘍として考えられています。
胸腺がんは、周囲の部位に直接影響を及ぼすほど大きくならなければ無症状だと言われています。がんが進行してしまうと、咳や胸痛、呼吸困難などの症状が現れるのです。 また、血液の流れを遮ってしまう場所に発生すると、顔面や頸部などにうっ血や浮腫などが生じやすいです。 胸腺腫では重症筋無力症などの合併症を伴うケースがありますが、胸腺がんではそのようなことはありません。
※参照元:国立がん研究センター がん情報サービス https://ganjoho.jp/public/cancer/thymoma/index.html
※参照元:国立がん研究センター 希少がんセンターhttps://www.ncc.go.jp/jp/rcc/about/thymoma/index.html
胸腺がんの場合、他のがん同様、病気がどのくらい広がっているのか(病期)によって治療を進めていきます。 肺がんなどのように患者数が多くないため、研究が十分行われていないと言われているのです。そのような事情があることから、治療法が確立していないため、医療機関はそれぞれの経験を加味しながら治療方針を決定していきます。
【胸腺がんの病理分類(WHO)】
A:Medullary thymoma | 紡錘形・卵円型の細胞であり、核異型が確認されない |
AB:Mixed thymoma | AとBの混合型 |
B1:Predominantly cortical thymoma | 密なリンパ球浸潤が見られる |
B2:Cortical thymoma | 腫瘍上皮に明瞭な核小体が見られる |
B3:Well-differentiated thymic carcinoma | 上皮が多角形になってシート状に配列し、 リンパ球の浸潤は少ない状態 |
C:Thymic carcinoma | 胸腺がん |
※参照元:国立がん研究センター がん情報サービス https://ganjoho.jp/public/cancer/thymoma/index.html
【病期分類(正岡)】
Stage I | 肉眼的そして組織学的にも被包化されている状態 |
Stage II | A)顕微鏡にて被膜浸潤が確認されるもの B)肉眼的に周囲の脂肪組織または被膜に浸潤や癒着しているもの |
Stage III | 肉眼的に心膜や大血管、肺に浸潤している状態 |
Stage IV | A)胸膜播種や心膜播種が見られる B)リンパ行性転移や血行性転移あり |
※参照元:国立がん研究センター がん情報サービス https://ganjoho.jp/public/cancer/thymoma/index.html
先述した通り胸腺がんの場合、罹患する患者数が少ないため研究が十分に行われていません。胸腺がんは胸腺腫よりもデータが少ないと言われており、状態によっては手術や放射線治療が行われるケースもあるのです。
全身に広がっているなど、放射線や手術ができないと判断された場合には、肺がんに使用される抗がん剤が比較的有効と言われています。胸腺がんの治療方針などで心配なことがある場合、医師にしっかりと確認するのがおすすめです。
また、がんの治療が妊娠や出産に影響を及ぼす可能性もありますので、将来子どもを産むことを検討している場合は、妊孕性の温存が可能かどうかを主治医と相談してみてください。
胸腺がんは、肺がんに用いる抗がん剤が比較的有効とされています。
肺がん治療は大きく分類すると、細胞傷害性抗がん剤、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬が使われているのが特徴です。その中でも細胞傷害性抗がん剤は、正常な細胞にもさまざまな影響を及ぼしやすいと言われているのです。
細胞障害性抗がん薬を用いると、個人差はありますがさまざまな副作用が見られます。治療直後にはアレルギー反応が見られたり、治療から1~2週間ほどの間には嘔気や食欲低下、倦怠感、口内炎、下痢などに悩まされたりするケースもあります。
また、採血をすると肝機能障害や腎機能障害が見られたり、白血球や血小板が減少したりすることもあるのです。体調によっては、副作用が早い時期に見られたり、症状が強く出てしまったりするともいわれています。 抗がん剤をやめたくなってしまう要因の1つに、副作用に悩まされることが考えられます。
※参照元:国立がん研究センター がん情報サービス https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/drug_therapy/dt02.html
分子標的薬と相性が良いとされているのがANK免疫細胞療法です。分子標的薬は、がん細胞を直接攻撃するタイプの薬ではなく、たんぱく質をターゲットにして、がん細胞に対して間接的にダメージを与える役割を持ちます。
しかし分子標的薬を単独で投与することによって、よい影響をもたらす場合があります。それにはNK細胞の活性度が大きく関わっているのだと考えられているのです。
以上のことから分子標的薬を併用できる治療法として、ANK免疫細胞療法は適していると考えられます。
分子標的薬はがんの増殖を抑え、ANK免疫細胞療法でがん細胞の退治を目指すという、相乗効果が期待されています。
どんながんも治る魔法の薬はありません。
ゆえに、保険治療の抗がん剤だけでは緩和や延命が目的になることもありますが、ほかの治療と併用することで好転することもあります。できる治療すべてを試す覚悟が大事だということも覚えておきましょう。
治療のひとつの選択肢として挙げられるのが、ANK免疫細胞療法。がん退治の本命細胞である「NK細胞」を活性化させてがん治療を行っていく免疫療法のひとつです。
以下の動画で、ANK免疫細胞療法のしくみを詳しく紹介していますのでぜひご覧ください。